[雑感]「働かないおじさん」と「働きアリの法則」

雑談

「働きアリの法則」で「働かないおじさん」さらにインデックス投資や社会保障の負担まで、説明できるのではと考えたネタです。

働かないおじさん

外部リンク: ウィキペディア 働かないおじさん

ご存知ない方は、詳細は、Wikiを御覧ください。ブログ主のようなおじさんには辛辣な言葉が並んでいます。妖精さんって、WINDOWS2000って・・・・。世知辛いです。アラフィフ世代は一度は意識したことがあるはず。ブログ主も早期退職前はいろいろ思うところがありました。

この「働かないおじさん」問題ですが「働きアリの法則」をふまえると別の世界が見えてくるのではないかと思った次第です。

働きアリの法則とは

働き蟻の法則 / 働きアリの法則(はたらきあり の ほうそく)とは、働き蟻に関する法則である。パレートの法則(80:20の法則)の亜種で2-6-2の法則ともいう。

・働き蟻のうち、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくる。
・よく働いているアリと、普通に働いている(時々サボっている)アリと、ずっとサボっているアリの割合は、2:6:2になる。
・よく働いているアリ2割を間引くと、残りの8割の中の2割がよく働く蟻になり、全体としてはまた2:6:2の分担になる。
・よく働いているアリだけを集めても、一部がサボり始め、やはり2:6:2に分かれる。
・サボっているアリだけを集めると、一部が働きだし、やはり2:6:2に分かれる。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

1900年頃にイタリアの経済学者が、人間の所得の分布の分析から、導いた「パレートの法則(80:20の法則)」と日本の生態学者が、アリの観察から導き出した法則が、酷似というのは大変興味深いです。

他にも、少数者が、全体の大部分を生み出しているという他の事例として、会社の仕事の成果(2割の社員が8割の利益を生み出す)、売上(商品の売上の8割は、2割の商品がもたらす)などがよくあげられ、人材育成やマーケティングでも見かけます。

Wikiでも、言及されているとおり、法則というより、経験則的にこのような事象がよく観察されるため、説明手段として用いられているという方が正しそうです。

株式投資における「働きアリの法則」

ちなみに働きアリの法則は、株式投資でも見られます。例えば、米国の大型株インデックスのS&P500は、全上場企業約6,000社中の僅か500社(約12%)で構成されているにもかかわらず、全上場企業の時価総額中、約80%を占めています。

米国株そのものも、米国の人口は世界で数%を占めるだけにもかかわらず、株式時価総額では約60%を占めています。

時価加重平均型のインデックス投資は、究極の分散のように思いがちですが、結果的に集中投資の要素も含まれているのは周知の事実です。

「働きアリの法則」に考える発想の転換

働く蟻と働かない蟻の差は「腰の重さ」、専門的に言うと「反応閾値」によるという。アリの前に仕事が現れた時、まず最も閾値の低い(腰の軽い)アリが働き始め、次の仕事が現れた時には次に閾値の低いアリが働く、という形で、仕事の分担がなされている。仕事が増えたり、最初から働いていたアリが疲れて休むなどして仕事が回ってくると、それまで仕事をしていなかった反応閾値の高い(腰の重い)アリが代わりに働きだす。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

この解説でふと考えたのは、人間の会社組織、アリのコロニー、株式市場といった全く異なる分野で酷似の現象が見られる原因は、2割社員アリや、会社そのものが、格別、効率がよく働く稼ぎ頭であるからではなく、会社やコロニー、社会を維持していく上で大きな成果を生む効率的な仕事自体が、最初から2割ぐらいしか存在しないからではないかということ。

100人いたとした場合の働きアリの法則による仕事量・成果・必要な人数の分布のイメージ図

こう考えると、若い頃、閾値が低い(腰が軽い)ため、効率的な仕事や普通の仕事についていた働かないおじさんは、加齢という自然現象とともに、次第に閾値が高くなり(腰が重い)、イメージ図では、上の方の仕事がない状態に移行していきます。これは本人の努力の問題というより、仕事量が限定されているゆえの自然現象ではないでしょうか。

視点を変えて、株式投資では、いつ効率的な仕事(会社)があらわれるか予め予見は不可能ですし、さらに効率的な会仕事(会社)が効率的な仕事(会社)として永遠にあり続けることはありません。よって、20%の会社を探して個別投資するよりも、仕事(会社)全体をまるっと買ってしまえば(インデックス投資)、効率的ではない仕事(会社)や利益を生まない仕事(会社)も抱えることとなるものの、確実にトータルの成果100を得られることとなります。

さらに、全く別の観点から個、この仕事量と質の観点から国家の運営単位で考えると、適切な生活保護制度や年金制度で富の再配分を行うことは必然と理解できます。もし、国家内の仕事が増えたり現役世代が疲弊したらリタイア層は、自然と仕事に復帰していくこととなります。また、効率的な仕事の量は、国家の栄枯盛衰に直結しそうです。そうすると、国家が優先的におこなうべきことは、効率的な仕事を支えたり、新たな仕事を創出する土壌整理のための投資ということになります。

働かないおじさんは悪くない。人間の社会はアリのコロニー以下ではないと信じたいです。

最後までお読みいただいてありがとうございました。

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