[雑感]FIRE・運用と骨太方針2025

雑談

経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2025の原案が掲載されていました。閣議決定前ですが、昨年度との比較において、FIRE・資産運用に関わる点を確認します。

全体像

外部リンク:内閣府 第7回経済財政諮問会議議事資料

世界に安定と繁栄をもたらしてきた国際秩序は、現在、自国第一主義や権威主義的国家
の台頭によって変化しつつある。力や威圧による一方的な現状変更の試みも続いている。
政府は、いかなる状況下にあっても、国益を守り抜く。そのため、法の支配に基づく自
由で開かれた国際秩序を維持・強化すると同時に、パワーポリティクスの下で新たな国際
秩序が形成されることにも備える。そして、世界の安定と繁栄に貢献しながら、我が国経
済社会の持続性を確保していく。

骨太の方針原案P1

昨年度版と異なり、冒頭、アメリカと中国やロシアを念頭に国際情勢に触れられています。ただ、志を同じくする国との連携程度しか具体策としては、触れられていません。

少なくとも、危機意識は高まっていることは承知しておく必要があります。

FIRE関連

「減税より賃上げ」との基本的考え方の下、足元の賃金・所得の水準を前提として減税
政策によって手取りを増やすのではなく、賃上げによって手取りが増えるようにする。

骨太の方針原案P2

減税より賃上げ」と言い切っています。また、中小企業・小規模事業者の賃金向上のため、価格転嫁・取引適正化も強調されています。

現政府方針としては、歳出削減・減税ではなく、歳入確保・インフレは揺るがない既定路線のよう。

さらに、「女性の正規雇用の大幅増」(骨太の方針原案P4)というワーディングもあり、全体として雇用確保の方向性が示されています。

世代性別かかわらず労働することを前提とした政府運営がなされる方向性は昨年度よりかわらずで、FIREには逆風となるのも相変わらずです。

資産運用関連

資産運用立国に向けた更なる改革を実行する。全世代の国民が自身のライフプランに沿
った資産形成が行えるよう、金融資産やキャッシュフローの状況を容易に把握できる環境
の整備、NISAの利便性向上に取り組むほか、企業型DC(企業型確定拠出年金)及び
iDeCo(個人型確定拠出年金)の運用改善を進める

骨太の方針原案P25

一応触れられてはいますが、具体策なくあまり熱量は感じられません。当面は大きな動きはなさそう。

「30年続いたコストカット型経済は終焉を迎えつつあり」「持続的・安定的な物価上昇」「賃金上昇」という表現からは、今現在の物価上昇は全く気に留められておらず、インフレ抑制の政策が取られる気配すらありません。

FIRE後は、賃金上昇の恩恵は全く受けられないため、インフレは続くことを前提に運用面でリスクを取っていく他なさそうです。

感想

現政権の目玉でもある「地方創生」に関しても、結構な量が割かれていましたが、個人的には目を引く印象的な政策は見当たりませんでした。

全体でも、総論的な印象で、具体策に乏しい印象でした。減税・歳出削減よりも、とにかく賃上げ・インフレ容認が強調されています。ブログ主としては、減税・歳出削減との比較の上で、現政策運営の妥当性にもっと言及してほしいと思いましたが、この明確な方向性だけは承知しておく必要ありです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

昨年度の感想です。

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