松井証券さんの投信コラムに一時期盛り上がっていた話題が取り上げられていました。結論はさておいて、少し違った視点で解説されていて素晴らしいので紹介させてください。
記事概要
外部リンク:松井証券-投信コラム NISA初心者必読! オルカンとS&P500の併せ持ちはダメなのか?
この議論は、一時期多く取り上げられたので、皆様御存知の通り、結論は以下の2点に尽きます。
■全世界株式インデックス一本の保有と比較して米国株式の保有比率を高めるだけ
■分散した気になるだけでリスクが減るわけではないので、全く意味がない
なのですが、コラムの中で、言葉としてもう一歩先に、深く掘り下げられている点斬新な視点に感銘を受けましたし、お人柄が忍ばれました。
「意味がない」ことを「害がある」に無意識に置き換えてしまうところに、このような議論が抱える、根深い問題があるような気がする。人間は同じ額であれば利益の喜びよりも損失の痛みの方が大きく感じる。そしてネガティブな情報を必要以上にネガティブに捉えようとする性質がある。いずれも人間の思考の「クセ」、認知バイアスと呼ばれるものに起因する。「意味がない」を「害がある」に置き換えてしまう心理の裏には、認知バイアスが見え隠れするように筆者は思う。
出典:松井証券-投信コラム NISA初心者必読! オルカンとS&P500の併せ持ちはダメなのか?
確かに自身を振り返っても、「意味のないことに」現実の必要以上に反応してしまっているかもと思いました。当ブログても、意味のないとんでも主張に辛辣すぎたかと反省しきりです。
例えば、この記事の方のように・・・・・。ご主張内容は意味はないのですが、荒唐無稽なボッタクリ商品が勧められているわけではないので、害まではないかもしれません。
これは普段の生活にも言えることだ。「意味がない」ことを必要以上に避けてしまっていないか。または、「意味がない」行動をとっている人物を無意識に見下していないだろうか。実はあまり意味がないようにみえても、よく考えてみるとちょっとした意味がある行動は結構あったりする。「意味がない」と「害がある」は異なるということを意識するだけで、心に余裕をもって生きていけることにつながる気もするのだが、いかがだろう。
松井証券-投信コラム NISA初心者必読! オルカンとS&P500の併せ持ちはダメなのか?
最近の政界やSNSでの、根拠のない批判や、必要以上に感情に働きかける煽動的な言動とは対局にあるとても優しい視点です。今の時代こそ、このような暖かい視点が必要とされていると思います。
金融界では珍しく?素直に感銘を受けました。
それでも要注意
確かに、害のない意味のない行動は問題ないかもしれませんし、意味のあるなしは、究極的には当の本人が考えることでしょう。
しかし、一方で、コラムの方もおっしゃるとおり、羊の皮を被った狼のように、「意味のない」言動を「意味がある」ように偽装したり、表面的な意味の背後に別の意味を偽装していたりする、「意味がない」とは異なる他人に「害のある」言動も巷には溢れています。両者は混在していて、用意には峻別できなかったりするので、やはり注意は欠かせません。
例えば、こちらの「インデックスファンドの黄金比率」なる記事
外部リンク:PRESIDENT ONLINE 全世界型1本だけでは無難すぎる…新NISAでつみたて投資を大成功させる「インデックスファンド」黄金比率
ブログ主は、存在しない隣の青い芝を存在するかに見せるこのような主張は、流石に度が過ぎていていると判断しますが、人によって捉え方は異なるでしょう。「意味のない」言動として心に余裕を持ってやり過ごすか、皆様ならどう判断するでしょうか。
余談
一頃に比べると「米国例外主義」が後退した今となっては、オルカンとS&P500の併せ持ち議論を若干、古臭く思う人もいるかもしれない。ドイツDAXのインデックスファンドとオルカンなどとの併せ持ちなども議論として面白いと思う
松井証券-投信コラム NISA初心者必読! オルカンとS&P500の併せ持ちはダメなのか?
引用させていただいたコラムの最後に触れられていたものです。オルカンとS&P500が頻度高くとりあげられていたのは新NISAスタート前年の2023年頃です。
世の中の関心の移ろいの何と早いことか・・・・・・。過去記事でも取り上げていますが、最近は欧州が取り上げられはじめています。
外部リンク:ダイヤモンドZAI オルカン“全集中”はダメ!「米国株型」や「世界株型」の次に注目すべきは「欧州株投信」だ
過渡期の変化への対応こそ、全世界株式の真価が発揮される絶好の機会であり、大多数の個人の無難な資産形成としては、余計なことをする必要はないし、してはいけないはずなのですが、やはりこの業界は・・・・・・・。
最後までお読みいただきありがとうございます。
コメント