著名な経済評論家の方の執筆記事についての雑記です。
記事概要
外部リンク:mi-mallet 知識ゼロから始める「銘柄選び」これさえ守れば失敗しない“長期投資の絶対ルール”とは【45歳からの資産形成・第9回】
誰もが知る超優良企業で、それなりの社歴や事業規模があり、連続して売上高や営業利益が拡大している企業、さらに一定割合以上の配当を出している企業という条件でスクリーニングすると、最終的には30〜40社程度しか残らないと思います。これは外国企業であってもまったく同じで、国が違うからといって企業を選ぶ条件が変わるわけではありません。こうした選別をしっかりと行っていれば、20年、30年という期間でも安心して投資を継続することが可能です。
出典:mi-mallet 知識ゼロから始める「銘柄選び」これさえ守れば失敗しない“長期投資の絶対ルール”とは【45歳からの資産形成・第9回】
ブログ主の本記事を読んでの第一の感想は、売上高・営業利益が拡大継続して、一定以上の配当も継続する知名度ある超優良企業をスクリーニングして、定期的に入れ替えるという結論は、シンプルで妥当性あるも、著者も言及しているように、20年も30年も継続するのは、甚だ困難を伴うなというものでした。
著者の方は実務経験豊富なプロの方ゆえ可能なのかも知れませんが、一般人には、まず「知っている企業」にどうしても偏りが生じます。
また、入れ替えのタイミングとされている「売上高の伸びが止まったり、営業利益が減っていく」を見極めるのは、これまた困難です。一時的な外的要因に過ぎないのか、事業環境の激変なのかは、事後的に検証すれば一目瞭然ですが、一般人が、未来が白紙のタイミングで適切に判断することは、能力的にも心理的にも、無理だと思います。
ブログ主個人も痛いほど経験しています。
過去の例を見てみる
誰もが知る超優良企業(だった)でみてみます。
山一證券

チャートは他所様のブログより拝借しています。1997年11月に簿外債務に起因して自主廃業を公表した当時4大証券の一角日興証券の廃業前1年のチャートです。下落基調にありましたが、知名度抜群の超大企業が破綻するとは誰しも思わないのが自然です。もし株主であったとして、事後的に株価推移を見ても、直近高値から-50%ぐらいの水準で、破綻1年前の間に先を見越して損切りすることは相当困難でしょう。
日本航空

日本航空もしかりです。
外部リンク:All Aboutマネー JAL経営破綻で考える!リスク管理を阻む心の弱さ
損切りできない心理をFPの方が的確に指摘されています。誰しも陥る心理かと思います。
東京電力

もはや説明不要の東京電力です。知名度ある超優良企業でしたが、100年に一度と言われた自然災害により、全く予兆なく大損失を被りました。多くの人にとって当時は株取引どころの状況ではないばかりか、事前に予想することは不可能です。
オリンパス

2012年に粉飾決算が発覚した当社は、株価の大幅下落に見舞われました。しかし、その後の推移はこの通り。山一證券の例などが思い浮かべば損切に走っていたかもしれませんが、一般人がその後の回復まで、的確に予想することはこれまた困難です。
フジ・メディア・ホールディングス
もう随分昔の話のように感じますが、世間を賑わせていたのは2025年初頭。今年の話です。
直近の株価をみてみると驚きます。当時も今もブログ主の理解では株価推移の予想は不可能です。
結局インデックス投資
「売上高や営業利益が拡大している企業」とイコールではないですが、財務健全で「売上高や営業利益が拡大している企業」だからできる場合が多い「連続増配」25年以上、かつS&P500構成企業約70社で均等に構成される米国の「S&P 500配当貴族指数」があります。

記事で言及されている企業群と近い米国版指数ですが、1年毎に自動で入れ替えしてくれて、時価加重平均のS&P500指数と直近15年に限ると、ほぼ同等のパフォーマンスを発揮します。
また、「スクリーニングすると、最終的には30〜40社程度しか残らない」のであれば、米国株であればNYダウ30、日本株であればTOPIX CORE30指数連動のETFや投資信託に投資しておけば、手動で銘柄選択し定期入れ替えし上手く言った場合と同等のパフォーマンスは得られると思われます。
ブログ主は楽しんでますが、やはり個別株は特に一般人にとっては、趣味の世界で割り切るものと承知しておく方が無難だとこうした記事を見て、毎回つくづく思い起こします。
最後までお読みいただきありがとうございました。




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