[雑感]日本では、成績が良いファンドほど短命になるという「逆生存者バイアス」返上か? 長寿国内株アクティブファンドのリブート(再起動)

雑談
A woman touching a computer with an uneasy expression in the room

リブートという流行りのワーディングを用いた記事が目に止まり内容を確認してみました。国内アクティブファンドになにか動きがあったのでしょうか。

記事概要

外部リンク:Finasee 日本では、成績が良いファンドほど短命になるという「逆生存者バイアス」返上か? 長寿国内株アクティブファンドのリブート(再起動)

要点は、
■「20年選手」の2025年リターン平均はTOPIXを上回る
■逆生存者バイアス
■長寿ファンドのアクティブ度合いが高まっている
という3点から、長寿ファンドのリブートに期待できるというものです。

実際に記事内で紹介されているファンドは、2025年のリターンが、40%超と、「東証株価指数(TOPIX)配当込み」(=25.46%)を遥かにオーバーパフォーマンスしており、最近のドラマで使用されている「リブート」再起動というキャッチーなネーミングも相まって、俄然興味が湧いてきて、調べてみることにしました。

キャッシュフロー経営評価オープン(愛称:選球眼)

記事中最上位で紹介されている三井住友アセットのキャッシュフロー経営評価オープン(愛称:選球眼)は、2000年6月30日設定と25年超の運用実績で、販売手数料3.3%、信託報酬は、1.65%のアクティブファンドです。

2025年の騰落率は何と、44.7%と何とも優秀なファンドに見えます。でも、まず思いついたのは、瞬間最大風速ではということで、設定来で比較したかったのですが、販売会社のサイトが20年までだったので、20年長期のインデックスファンドとの比較をみてみました。

出典:三井住友信託銀行HP

確かに2024-は、時価加重平均型インデックスのTOPIXには明らかにオーバーパフォームしています。しかし、株価平均インデックスの日経平均には負けており、両者の中間の値動きです。

運用期間約20年中アウトパフォームはわずか2年と1/10の確率、それまではTOPIXとほぼ同じです。記事中では、直近の高パフォーマンスについて、アクティブ度合いが高まっていることを暗に理由付けしていましたが、日経平均との比較では、値嵩さ株・テクノロジー企業比率高めだったというだけで、説明がつきそうでもあります。

信託報酬1.65%を負担しつつ、0.682%のTOPIX連動ファンドに追従していたことの評価は何とも微妙です。仮に運用が優秀でも、手数料の壁が厚いと言えそうですし、この程度ならば、最近のもっと低コストなインデックスファンドであれば逆転しそうな僅差です。

逆生存者バイアス

一般に、成績の良いファンドのみが生き残るため、アクティブファンドのパフォーマンスは高く見える問われています。

しかし、この記事では逆に、成績が良いファンドほど、利益確定されやすく、資金流出によって短命になるという「逆生存者バイアス」の存在を指摘されていますが、これは意味がよくわかりません。本当に成績がいい状態が続けば、利益確定とともに資産流入も続くはずです。

最近のemaxis slim S&P500やオールカントリーをみても、成績が良くとも、利益確定はされていないことが明白です。

やはり、生存者バイアスは常に念頭においておく必要があり、目前に高パフォーマンスのファンドの背後には、成績が悪く償還されていた無数のファンドがあったことは忘れてはなりません。

平均回帰

一部の突出したファンドだけの話かと言えば必ずしもそうとは言い切れない。2025年の運用成績を「東証株価指数(TOPIX)配当込み」(=25.46%)と比べてみると、運用期間20年超の長寿ファンド(以下、「長寿ファンド」)の平均リターンは25.64%とTOPIX配当込みを上回った。NISA(少額投資非課税制度)成長投資枠対象に限定すると、26.16%。同指数を上回ったファンドの割合は57%になった。運用期間20年未満の国内株ファンドの平均リターンは成長投資枠対象に限定しても、23.43%とTOPIX配当込みを下回っている(※いずれもアクティブファンドが対象)。

出典:Finasee 日本では、成績が良いファンドほど短命になるという「逆生存者バイアス」返上か? 長寿国内株アクティブファンドのリブート(再起動)

本引用記事でも、「2025年のリターンが、40%超」とアクティブファンドは凄そうなインパクトを残していますが、よく読んでみると、平均値は、ほぼインデックスと近似します。あらゆるアクティブ運営の集大成がインデックスゆえある意味当然であり、先の生存者バイアスと相まってやはり、個別株同様に事前に高パフォーマンスのファンドを選ぶことは至難の業であることを端的に表していると思います。

手抜きしてgeminiにて作成したので正確性は割引必要がありますが、インデックス=平均値の対象や算出方法だけで騰落にはブレが発生するのは当然であり、アクティブファンドの運用のブレもせいぜいこの範囲とも言えそうです。

リブートはない

こうしてみてみると、国内アクティブファンドになにかリブート(再起動)と言われるような事象を見て取ることは困難にみえます。

逆生存者バイアスにしても、信託報酬が高くても、単にTOPIXに追従できていたから資産規模が小さいながら償還されずに生き残っていたとも捉えられますし、構成銘柄がTOPIX型ではなく日経平均寄りだったため直近パフォーマンスがよく、それゆえ、資産流入超となっているだけともいえます。

アクティブ運用を否定するものではありませんが、事実と解釈や評価・期待は明確に切り分けて判断する必要があります。同じ事実を元にしても、解釈や評価・期待は、表現者の立ち位置によっていとも簡単に逆転させることが可能ですから。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。




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