新NISA制度開始前後に散見された誤認を招きそうな記事を久々にみかけましたので、とりあげさせていただきたいと思います。
記事概要
外部リンク:マネーポストWEB【新NISA投資でのしくじりケース】大暴落でパニックに陥り全株売りの「損切りミス」続出 実質的に米国株集中投資の「オルカン」の一国偏重リスクにも注意
もはやタイトルだけで想像がつきますね。一時期、リスク分散のために、S&P500のみらず全世界株式も持ちましょうなどの一見もっともらしく、中身は勘違いを招く記事に少なからず遭遇しました。本記事ではそのような重い誤認はみられませんが、やはり変な点が含まれています。読んでみてください。
微妙なズレ
歳を重ねれば長期保有の効果を得にくくなるため、よりリスクが低い国債などの債券や金投資も選択肢に入れて分散投資を心がけましょう
出典:マネーポストWEB【新NISA投資でのしくじりケース】大暴落でパニックに陥り全株売りの「損切りミス」続出 実質的に米国株集中投資の「オルカン」の一国偏重リスクにも注意
歳を重ねて長期保有できない前提で、金投資が選択肢に入るか否かは議論の余地がありますが、結論は普通の内容です。
後半のオルカンの一国集中投資
オルカンの国別組み入れ比率を見ると、7月末時点で米国が62.7%、日本が5.4%、英国が3.3%と実質的には米国集中投資にほかなりません。7月に米国株が暴落したように、一国偏重はリスクがあることを知っておくべきです
出典:マネーポストWEB【新NISA投資でのしくじりケース】大暴落でパニックに陥り全株売りの「損切りミス」続出 実質的に米国株集中投資の「オルカン」の一国偏重リスクにも注意
もはや定番中の定番の意味のない意見ですね。オルカン以上の分散は存在しないと思うのですが、未だにこのような主張がなされているため、混乱しないように注意が必要です。当ブログでも過去、定期的に取り上げています。
前半の一社集中投資
暴落局面で『これ以上損失を大きくしたくない』という気持ちはわかりますが、銀行株のように配当利回りが高い優良株であれば、我慢して保有すればいずれ株価が回復し収益につながる可能性が高い。特に暴落の直後は優良株を狙う機関投資家の買いが入りやすく、回復基調になるケースが多いんです。新NISAは長期保有・長期運用が鉄則。
出典:マネーポストWEB【新NISA投資でのしくじりケース】大暴落でパニックに陥り全株売りの「損切りミス」続出 実質的に米国株集中投資の「オルカン」の一国偏重リスクにも注意
後半よりも、前半の論理展開が凄いです。後半で、世界各国の何千社に分散投資するオルカンに対して、米国一国偏重のリスクがあると主張されているのに、わずか1社という超集中投資の銀行株に対して、長期保有・長期運用が鉄則ですとの論理展開・・・・。
銀行1社と、オルカンのどっちがリスクが高いかは、比べるまでもなく、前半・後半このような書き方だと誤解を招くと思うのはブログ主だけでしょうか。偏重を気にしなければならないのは、オルカンの米国偏重ではなく、銀行1社への集中投資です。まあ、そんなに深読みする必要ない軽い記事で、この程度なら目くじらを立てるほどではないものかもしれませんが・・・・・。
ただ、資産運用関連のみならず、あらゆる分野で、意図的か、もしくは無自覚的にか、事実を曲解して一見もっともらしいけど内実は正しくない結論に誘導する言説が溢れています。本当に注意が必要です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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