PRESIDENT Onlineに掲載された著名FPさんの記事です。様々なニュースサイトでも転載されていますし、ブログでも皆さん取り上げています。私もどうしても一言いいたくなり感想を残しておきます。
記事内容
外部リンク:PRESIDENT Online 全世界型1本だけでは無難すぎる…新NISAでつみたて投資を大成功させる「インデックスファンド」黄金比率
詳細はリンク先の記事を御覧いただきたいのですが、要点は以下のとおりです。
1.新NISAでインデックス投資を推奨
2.全世界型はややリターンが出にくいため米国や先進国に分散すべし
3.お勧め 全世界30%+米国35%+先進国17.5%+新興国17.5%
論点
1.新NISAでインデックス投資を推奨
ここは全く異論はないです。
2.全世界型はややリターンが出にくいため米国や先進国に分散すべし
全世界型インデックスは、現在先進国・新興国の区分けでは、ざっくりと先進国90%(内訳:米国60%,その他30%)新興国10%の構成比率になっています。先進国はもともと全世界型の90%を占めているにもかかわらず、米国や先進国に分散というのは、理解に苦しむ論理です。
そもそも投資対象を 「全世界」「先進国(除く日本)」「新興国」「国内」と区分しているところが意味不明です。「全世界」=「先進国(除く日本)」+「新興国」+「国内」ですから、重複してしまっています。
3.お勧め 全世界30%+米国35%+先進国17.5%+新興国17.5%
著者は、今後も米国は安泰、新興国は長期的には大きく伸びる可能性、日本は駄目という前提でおすすめの比率を紹介しています。
まず形式的におかしいのは、黄金比率があると主張されていながら、「全世界」が入っている点です。黄金比率があるなら、重複ないよう、米国+先進国(除く米国)+新興国で比率を示すだけでよいと思います。
そもそも全世界型のインデックスは、将来は誰にもわからないため、常により大きな市場で時価加重平均で分散して各企業の株式を保有することが最も合理的という理論に基づいています。時代の変化に伴い、各国別の構成比率も、対象企業も、その構成比率も、変化していきます。常に今現在の最適比率が「全世界」の構成比率といえます。
それよりもアクティブに構成比率を変えて「大成功」を主張されるなら、根拠も合わせて主張されればよかったのにと思います。
なお、余談ながら、実験的FIRE中のブログ主の経験から、保有商品がばらばらであればあるほど、メンテナンスそして取り崩しの順番に頭を悩ますことになります。出口戦略上難題を抱えることになりますので、このあたりも絶対に踏まえておくべき事項です。
所感
「極論すれば新NISAは全世界型1本で終わり」という直球勝負の結論では商売にならないため、あえて変化球にされたのでしょうか。少なくとも重複する内容のインデックスを組み合わせて、黄金比率や分散などと主張されることはミスリードではないかと。アクティブに攻めるならアクティブとしてストレートに攻めればいいのに。せめて、重複ないよう、米国+先進国(除く米国)+新興国で比率を示して欲しかった。
数多くの著作があり、家計見直しでは多くの記事を目にする著名FPさんの記事ですが、この記事は残念に思います。
先日も別記事を作成しましたが、新NISAに関しては、盛り上がってくるに従い、誤解が含まれるものや、売買を推奨するような内容がインデックスの仮面を被ってでてきそうです。インデックスの仮面を被ったアクティブには注意しておいたほうがよさそうです。混ぜたら危険。
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