PRESIDENT Onlineに掲載された記事です。勘の良い方であれば、何の商品かすぐピンと来ると思います。
記事概要
外部リンク:PRESIDENT Online [雑感]老後資金を増やすならこれしかない…オトクすぎて金融機関が売りたがらない「最強の金融商品」
記事で紹介されている最強の商品とは、「個人向け国債変動10」です。5月募集分第170債で初回利率0.57%です。
当ブログでも、取り上げていますが、
・10年国債とはいえ、1年経過後は、1年分の利金を放棄するだけで、元本確保で中途換金可能
・ネット銀行の1年物の定期預金金利と比較しても十分な利率水準
・半年ごとに利率が見直される変動金利のため、金利上昇局面に追従できる
・超低金利時代でも、利率の最低保証0.05%がある
と絶大なメリットが有り、現在の金利水準下で安全資産の置き場として個人が利用しない手はない商品です。楽天証券など扱い金融機関によっては、購入・換金すべてオンラインで完結するため、利便性も申し分ありません。
安全資産の重要性
株式投資に前のめりになると、他人の芝生が青く見えてしまいがちです。「◯歳で億り人になった私の秘密の投資手法」「誰も知らなかった年率30%を達成する方法」などなどセンセーショナルなタイトルでの煽り記事に遭遇することも稀ではありません。
株価の動向を予測するためには、数学や経済の知識を使いながら、社会の動きをかなり先まで見通さないといけない。確実な予測は難しいし、勝ち組と負け組ではっきり差が出るシビアな世界だ。
そんな金融商品を勧める証券外務員が、どれほど数学や経済の知識を持っているのかは甚だ疑問だ。彼らの金融リテラシーが低ければ、顧客に対して誤った情報を提供したり、相手の無知につけ込んでひどい金融商品を売りつけるケースもあるだろう。
出典:PRESIDENT Online [雑感]老後資金を増やすならこれしかない…オトクすぎて金融機関が売りたがらない「最強の金融商品」
本記事に触れられている通り、知識や経験を駆使しても、確実な予想は不可能で、株式投資に絶対はありません。インデックス投資も株式投資であるから、同じことが当てはまります。
資金状況は人それぞれのため、自分のリスク許容度に応じて、株式などのリスク資産と国債など安全資産のバランスを取る必要があります。
全くリスク資産を保有しないのもリスクです。しかし、一方で、たまたま運良く儲かった他人や自分のケースに影響されて、とれるリスク以上にリスク資産を増やすのも愚の骨頂です。将来は予想できないことを前提に、各自の置かれた状況を踏まえて、バランスを取るほかありません。
「個人向け国債変動10」は、バランスを図るうえでの極めて有用なツールです。
小ネタ
リンク先記事中に明らかな誤表記があるのに気づかれましたか。
答えは、「変動金利型10年満期国債の推移」というタイトルの図表です。そもそも何の推移か明示されていませんが、利率の推移と思われます。
しかし、これは、個人向け国債変動10の基準金利となる10年国債の金利推移です。個人向け国債は基準金利☓0.66で金利水準が決定され、加えて下限0.05が保証されます。図中のマイナス金利のときも、個人向け国債はマイナス金利となっていません。
これは、編集者の単なるミスで記事内容には影響ないと思います。しかし、中には、意図的に事実を歪めて自己の主張に利用しているようなケースがあります。逆に、善意ではあるものの、認識が誤っており読み手をミスリーディングするような主張も多々あります。
玉石混交の言論界ゆえ、情報の受け手は、伝達される内容の真偽をしっかり見極める必要があります。何事も盲信は危険です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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