［雑感］山崎元氏の語る「守銭奴型FIRE」

楽天証券の投資家向け情報サイト・トウシルに２ヶ月ほど前の23年7月に掲載された記事「山崎元がホンネで回答（2）FIREに難色、なぜ？働き続けたい理由は？」が掲載当時から気になっています。もうすぐ実験的FIRE1年になるため、思ったことを残しておきます。

山崎元氏
仕事との関わり方

山崎元氏

多方面で活躍されている経済評論家の山崎元氏。金融機関経験者ながら、歯に衣着せぬキレキレのブレない言動は小気味よくブログ主は大ファンです。以前著書（共著）も紹介させていただいています。

仕事との関わり方

外部記事：山崎元がホンネで回答（2）FIREに難色、なぜ？働き続けたい理由は？　（楽天証券トウシル）

こちらの記事です。読者の質問に著者である山崎元氏が回答する形式となっています。

【質問】FIRE（早期リタイア・経済的自立）したいという人々に対して、なかなか難色(理解が難しい)を示されていましたが、逆になんでそんなに働き続けたいのでしょうか？
【回答】守銭奴型のFIREでは人生がつまらない
トウシル　山崎元がホンネで回答（2）FIREに難色、なぜ？働き続けたい理由は？

本記事の論点は以下の３つです。
１．大きく稼いで若くリタイアするのであれば感心
２．相当の期間消費を抑えて投資を増やして資産形成に注力して、中年期以降に金融資産残高による安心を図ろうとするようなタイプのFIRE指向者には難色
3．工夫を要するが、高齢期に関しては、幾つになっても人との関わりは持っていたいし、それが締め切りと報酬を伴う「仕事」である方が張り合いがあると思う人は少なくないのではないかと推測

真のFIRE

１．については、誰しも異論はないと思います。ブログ主も同感です。ただ、これが可能になるのはよほどの才能と運に恵まれた極小数の人でしょう。株式投資だけではまぐれでない限り不可能と思われます。

守銭奴型FIRE

2．の山崎氏が人生がつまらなく見えると難色を示すFIREです。「50歳近くになってからFIREだと言われても、もうすでにアーリーとは言えない。」と一刀両断されているため、50歳で早期退職したブログ主が結構気になっているところです。

ここは、個人的には、人生ひとそれぞれ、性格・資質・能力から、趣味・嗜好、おかれた環境、はたまた運までまちまちのため、他者評価は関係ないところかなと思います。何か目的があり、そのために個人が選択したのなら、他人に迷惑かけない限りにおいて、尊重されて然るべきです。

50歳を超えて思うことは、10代～30代での経験は、その後の人生の幅に大きく影響していて、今更買うことはできない無形資産として人生のバックボーンとなっています。あの頃の出費は何十倍、何百倍にもなって血と肉になっていると実感することがままあります。

氏のいつもの過激な言い振りですが、こういうことの重要性も見落としてはならないとバランスを問うているのではないかと思います。２度と戻ることは出来ないので。

高齢期の人との関わり・仕事

早期退職して、もうすぐ1年で特に人とのつながりに渇望はないし、転職していない無職の寂しさも感じない（除く世間体）です。平穏な生活は充実しているのですが、３のような記事を目にすることが多いため、そうなるのだろうかと気にはなっています。今後心境が変化していくのか様子見しています。

仕事に関しては、思うに、FIRE（Financial Independence, Retire Early）という略語というか造語が独り歩きしている感もあります。英単語と捉えると火、炎、火災、発泡、加えてyou are fired!でクビの意味にもなるため、それだけで何かインパクトが有るイメージが加味されてしまいます。

有職か無職かの違いは、特定の会社・団体と雇用契約があり、就業時間中は会社・団体の指揮命令下に服するかわりに、金銭対価や社会保険を始めとする福利を享受できる状態にあるかないかだけです。

毎日、食事をして寝て身の回りの掃除や洗濯、買物などの家事に、各種事務対応や家計管理しつつ、家族や友人とかかわり趣味や娯楽や学習をおこなうという人間としての基本生活は同じ。一人暮らしなので言ってみれば自分専用の家事従事者なのですが、しっかりやると結構な「仕事」。何もしなくていい特別な状態ではないです。（家事ベタのためか）一人でもこれだけロード感があるのだから、お子さんがいらっしゃったりすると想像すらできない仕事なんだろうなと。

こうした観点からは、執事さんやお手伝いさん、ベビーシッターさん、運転手さんを365日雇えるレベルにない限り、真のFIREは存在しないのかも。このような仕事は、もっと注目されるといいなと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。