[雑感]「長期投資を成功させる一歩」からみる株式投資の難しさ

雑談

野村證券さんの関連サイトで、コモンズ投信の社長さんのインタビュー記事が掲載されており、株式投資の難しさについて感じたことを徒然と書いてみます。

記事概要

外部リンク:EL BORDE コモンズ投信 伊井哲朗社長「議決権行使は長期投資を成功させる一歩」

一般的に、個別株投資での成功の秘訣というと、真っ先に思い浮かぶのは、銘柄選択売買タイミングかと思います。

本記事では、そうした一般的に想起される事項ではなく、会社の経営やガバナンスに関心を持ち、長期保有と株主総会での「議決権」を通じて、企業価値向上へ向けて株主として影響力を行使することの意義を説いています。

確かに、株式を保有して株主となることは、取締役会などと同様に、会社の一機関である株主総会の構成員となるわけですから、当事者として行使できる権限を利用することは全く持って理にかなっています。

網羅的な基礎知識・判断力が必要

しかしながら、上場企業を前提とするとなかなか厳しいものがあります。

株式会社では経営は経営機関に委ねられており、会社経営において、株主総会で議決を要する事項は重要事項に限定されています。

例えば、取締役選任に関する議案はその代表的なものですが、招集通知に記載されているものは、当該取締役の経歴や写真だけです。いかなる経営理念の持ち主か、業務スキルやお人柄、仕事のスタイルなど間接的な情報を得て判断することは至難の業です。外から内部事情を伺うことは至難の業です。

はたまた、株主単独でも株主代表訴訟提起権など、少数株主権を保有しています。こうした権利を行使するためには、権利内容はもとより、代表取締役・取締役会・株主総会等の会社機関の組織構成や権限関係についての知識を有していることが前提です。

その前提の上で、財務状況と、現在の投資先の会社経営について内部運営状況、競業他社や市場動向などの外部環境、将来の経済見通しなどあらゆる情報をふまえて経営判断の是非を評価する必要があります。

1個人株主がこうした事項について、無数の内部の役員・社員が仕事を分掌して当事者として組織的に継続して動いている株式会社の中の人よりも、優れた判断をおこなうことは至難の業でしょう。

現実は、一昔前は総会屋さんが跋扈していたり、最近ではお土産がないとか、水の用意がないなど、本質とは無関係の発言がなされ、注目を浴びるなど会社法の理念とは程遠い株主総会運営がなされているのが実態です。

株式投資の難易度

売買タイミング

株価の動きに自然科学のような絶対的な法則は存在しません。無数の要素が複雑に絡み合いランダムな動きを繰り返します。一過性のまぐれは別として、継続的に売買タイミングで利益を得続ける再現性ある手法はありません。

銘柄選択

先にみたように、株主として権限行使することはおろか、会社内部の自分の報酬や会社の将来について当事者として利害関係を持つ人達が、定性・定量あらゆる情報をもとに、叡智を結集して、専門的な経営判断をおこなっても、その判断が常に正しいとは限りません。事業の衰退・失敗のリスクを常に背負って、継続・反復的に判断を続けています。

このような会社の株式に外部から投資することを考えてみると・・・・。情報量に明らかに劣らざるを得ない個人が、ごく短いSNSやネットの推奨記事だけで、簡単に利益を出せる個別銘柄を見つけ出してすぐ利益を得ることは、一過性のまぐれを除いて極めて難しいといいうると思います。

インデックス投資は、投資先を分散できていますが、個別株の集合体ですので、根は同じです。

どうすればいいか

内部にいても難しいものが、外部にいる個人が内部の方より、よりよく判断できる可能性は高くはないでしょう。外部から投資する場合、個別会社には基本関係ない売買タイミングの難しさも加わります。

株式投資は、100%正解の判断を続けることではなく、もともと失敗を包含するものとして、60%適切な判断ができれば御の字と割り切って40%以上の失敗を受け入れることがスタート時点。そのためには分散は必須です。

株式投資するなら、会社ひいては社会のあり方について自分の頭で考えて失敗を繰り返しつつも、長期分散保有することが成功への近道というのがブログ主の見解です。

インデックス投資であれば、含み損状態に耐え続けることです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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