[雑感]2024年家計負担アップの現状と防衛手段

雑談

2024年いよいよ利用可能となった新NISAは大きな制度改定で、運用益の減税が受けられるありがたい制度です。一方で同時並行で実質税に近い社会保険料等家計の負担増が気付かぬ間に進んでいたり、電気・ガス代の補助にかなりの税金が使われ、家計のコントロールに当たり、2024年4月以降の影響を踏まえておくことも必要です。

2023年既に値上げされたもの

給与所得者は、給与から天引きされ自分ではコントロールできないので、ほとんど意識していないと思います。少なくともブログ主はそうでした。しかし、年金・医療・介護・雇用は、気付かない間に負担増となっていることがあります。ほぼ税金と同じ性質ゆえ、増税同様に適切に制度運営されているか有権者として注意を払う必要があります。

雇用保険料

雇用保険料は労使折半で、業種ごとに異なります。もっもと多い一般事業種の場合、2023年に労働者の負担割合が0.1%値上げされています。年収400万円とすると、 ざっくりと、4,000円/年 333円/月の負担増となっています。

外部リンク:雇用保険料率とは?2023年の雇用保険料率や計算方法、改定理由を解説

介護保険料

40歳から64歳までの健康保険加入者は、健康保険料と一緒に介護保険料を納めています。介護保険料率は「16.4/1000(1.64%)」から「18.2/1000(1.82%)」に改定され、全国一律で0.18%の引き上げされています。同じく労使折半のため、年収400万円とすると、ざっくりと、3,600円/年 300円/月の負担増となっています。

2024年以降値上げの可能性

燃料代・電気代補助

ガソリンを始めとした燃料代と電気代に補助金が投入されています。当初2023年9月末までの予定が、2024年4月末までに、延長されています。

資源エネルギー庁のHPによると、一般的な家庭で 電気1,400円/月 ガス450円/月 値引きされていることになっています。さらに、ガソリンの補助もあります。これが終了した際にエネルギー価格が下がっていないと、単純に負担増です。

出典:経済産業省資源エネルギー庁HP

それにしても、驚かされるのがこの予算規模です。ガソリン・電気補助 12兆1,000億円 も投入されています。令和5年の消費税収が、23兆3,840億円、法人税収が、14兆6,020億円ですから、目立たないかもしれませんが、かなりの公費が投入されています。もしかすると国家予算には余裕があるのか、それとも赤字国債の発行で相当無理をしていて、いつかどこかに国民へ負担が回ってくるのでしょうか。

大阪万博の政府負担が2,000億だ3,000億だと騒がれていますが、桁が違います。

外部リンク:NRI 経済対策は真水で10~15兆円規模か:暫定経済効果推定でGDP1%強

少子化対策

こども家庭庁は、少子化対策の財源に充てる支援金制度について2026年度から公的医療保険に上乗せして徴収する案を提示しています。2024年の国会で可決されると、支援金として1兆円確保するために、 数百円/1人、公的医療保険料と同時に上乗せ徴収されます。

外部リンク:Yahooニュース 【図解】医療保険上乗せ、26年度から=月数百円の負担―こども家庭庁

でも、日銀が買い入れた時価約50兆円のETFは、昨年約2兆円の剰余金を生み出し、政府に納付されています。なんだかちぐはぐな印象です。

さらにいえば、授業料無償化(=税金投入)を見越して授業料そのものの便乗値上げの懸念もあり、負の側面にも目を向けていくべきです。無償化=無条件に正義とは限りません。

政治の甘い言葉に注意

介護や雇用保険は、用途が限定されており、コロナ下の経済状況や人口動態を踏まえると相互扶助の制度として負担増もやむを得ない面があります。復興特別所得税も、きちんと震災復興に有効に使われるなら、喜んで負担します。北陸の震災で必要なら増税も歓迎します。

しかし、少子化対策費用を公的医療保険に上乗せはいかがなものでしょうか。ステルス値上げのように姑息な手段にみえます。本当に必要なら、堂々と必要性を示して増税すればいいのではないでしょうか。

結局、身も蓋もないことですが、「給付には財源が必要」というのが現実。選挙前にあたかも弱者の味方を装って給付を声高に強調する政治家や政党の主張内容は、よくよく注意しないと、結局どこかで負担が回ってきます。

本年2024年度より改定された新NISAは、運用益にかかる約20%の所得税・住民税をまるまる減税していただける大変ありがたい制度です。その一方で、社会保険料の衣をまとって実質増税が検討されているなど負担増も確実にやってきています。新NISAでの商品選びと同じように、有権者として、公平な徴税がなされ、適正に税金が使われているか、関心を持っていくことこそが、家計防衛につながると思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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