先日、投資信託の移管を経験した際にオルカンの運用方法を再確認しておもしろいなと思ったことがありました。
ファミリーファンド方式
大手の運用会社が運用するインデックスファンドは、ほぼすべてファミリーファンド方式で運用されています。
おもしろいのは、ベンチマークするMSCI ACWIで一本のマザーファンドがあるわけではなく、先進国(除く日本)、新興国株式、日本株と3分割されたマザーファンドへ構成比率を変えて投資することで、合成して、MSCI ACWI指数と連動させている点です。
そのマザーファンドは、先進国、新興国、日本のそれぞれの指数への連動を目指しているわけで、オルカンとしておこなっているのは、そのバランスを考慮して振り分けるだけです。
運用会社内全体でのコストパフォーマンスに優れた極めて合理的な手法です。
eMAXIS Slimの交付目論見書には、明記はありませんでしたが、通称ノムカンの「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) (愛称:Funds-i Basic 全世界株式(オール・カントリー))」の目論見書には、
このように明記されていました。
直近の構成比です。オルカンは、この比率で各マザーファンドへ割り振りされているだけゆえ、比率を変えるだけで、同じシリースで、全世界株(除く日本)や全世界株3資産均等ができあがるわけです。
eMAXIS Slim先進国だけ買うと、
このように、オールカントリーの84%を占める外国株式インデックスマザーファンドだけ購入していることとなります。中身は全く同じで84%重複することとなります。
オルカンは、何か画期的で、全世界株式インデックス投資の代表、象徴のように扱われています。究極的に分散というすごいことをしているようにもみえます。しかし、中身は、ほぼ既存のファンドの集まりで、実は、ただ単にまとめ買いしているだけだったりします。
現在メディアで象徴的に取り上げられ、爆発的に売れていますが、こうしてみると、変に崇めたりする対象でも、身構えるものでもない、従来のインデックス投資信託の延長線の存在に過ぎないことがよくわかります。
ついでに、小ネタになりますが、前回紹介した記事中に登場した通称FAT 無印の eMAXIS 全世界株式インデックス は、Slimシリーズと信託報酬のみならず、投資対象に日本を含まない点で差異があります。Slimシリーズなら、eMAXIS Slim全世界株式インデックス(除く日本)相当です。マザーファンドも同じなのに、紛らわしい名称と信託報酬の差異は、ユーザーフレンドリーではないです。
前回記事
余談日本株の比率
23年末でわすが5.39%です。下がる一方で少し寂しい・・・・・。こうなると、世界中で日本株だけ不幸にも、突然-50%の大暴落に遭遇しても、全世界株への影響は単純換算で約-2.6%です。逆に奇跡的に今の平均株価より倍、日経平均が8万円台になっても、全世界への影響は、5%程度と僅かなものです。実は、日本を含んでいても除いても、全世界株式投資全体への影響は大きくない状況です。
それでも、こうした分散度合いこそが、直近で好調な国へもしっかり投資されているという全世界株ならではの安心感を与えてくれます。
最後まで御覧いただきありがとうございました。
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