[雑感]保険料増、NISAは除外 金融所得反映巡り厚労省 の意味するところ

雑談

共同通信の記事です。健康保険料への金融所得反映でNISAは除外の方向性が示されたそうです。

共同通信記事

外部リンク:共同通信 保険料増、NISAは除外 金融所得反映巡り厚労省

厚生労働省がNISAの利益は除外の方針を明らかにしたとのことですが、自民党の会合で示しただけのため、まだ何かが確定で決まったわけではない点は注意が必要です。それでも、方向性を明らかにしてくれた点はありがたいですね。

制度を予想してみる

NISAは除外ということは裏返せば、特定口座などの他の金融所得は反映させるということです。こうしてちょくちょく記事にさせているということは、反映させる方向性は揺るぎないもののようです。

大多数の会社員・公務員はおそらく大丈夫

社保加入の会社員・公務員は大丈夫と予想されます。社保険料は基本給与から天引きされています。そのため、会社員の給与とは別の金融所得も保険料に反映させるには、


1.勤務先へ個人の金融所得を申告させる。
2.給与天引きと源泉徴収をやめて、会社員・公務員も全員個人で確定申告して、税金・保険料を個人で支払う制度に改める。

の2択しかないからです。

1は、プライバシーの観点から不可能です。
2は、確実に徴税できる源泉徴収制度(善し悪しは別として)を政府が廃止することはあり得ないし、税務署や地方自治体のキャパからも実現不可能と思われるからです。

そもそもこれ以上現役世代に負担増を求めるのは、亡国への道でしかないと思います。

金融資産全体もおそらく大丈夫

NISA除外の方向性が固まっていくなら、金融資産額全体が反映される可能性も低いと思われます。

マイナンバー制度導入後、新規口座開設やNISA口座開設、住所変更時などマイナンバーが求められ、金融口座とマイナンバーの紐づけが進んでいます。

しかし、昔からの銀行口座など紐づいていない口座も依然残っているはずで、網羅的に個人の金融資産全体を把握することは、現状では難しいと思われます。

また、仮に株式の保有時価額を対象とするとなれば、リスクを取っている人に課金する本末転倒の結果となるわけですし、常識的には、市場の冷水となるような愚策が取られることはなさそうで、こちらの線も薄くなりそうです。

残るは個人事業主・無職者(退職者)の国民健康保険への金融所得反映

ここがもっとも先に実現されそうですが、意外にハードルは高そうです。

なぜなら、会社員・公務員の金融所得が社保に反映されないのに、特に、個人事業主の金融所得が国保料に反映するとなると明らかな不公平が生じるからです。

そうなると、現在会社員でも、2,000万円超の所得者は確定申告が必要とされているため、年間の金融所得2,000万円ぐらいをボーダーにすると公平かもしれません。

制度的にも、現行、保険会社は一定額以上の保険金支払時は支払調書を税務署に提出しているため、銀行証券が同じような対応をする余地はありそうです。

ただ、これだとほとんど増収にならないはずです。現役世代の負担軽減を考えると、例えば「金融所得・年金所得以外に収入がない人」に限定して反映させてもいいかもしれません。それでも、人口が多い高齢者層の反発は大きそうですし、金融所得の把握にも課題は残ります。

考えてみると課題は多そうですが、現役世代の負担軽減し、経済的活力を削ぐことなく、公平・公正な制度改定がなされるか、当面は、行く末を見守るしかなさそうです。

個人的には、新NISAの枠は全部使う予定はなかったのですが、このような議論がなされていることをふまえて、特定口座の投資信託を今売却して最速でNISA口座へ移行させることを検討しようと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

コメント

  1. 週末山紀行 より:

    人口ピラミッド凸の大量退職(金融所得+年金者の激増の開始)は、年金支給開始と定年の65歳化で10年先ですから、徴収側の狙いは10年先までの制度化ですかね。果たしてどう転ぶのか。
    資産課税の可能性も含めて、金銭面の人生設計は0.7掛けくらいで見積もっておいた方がいいかもしれません…。

    • Takereru Takereru より:

      コメントありがとうございます!私もですが、団塊ジュニア世代は、受験期は過当競争、就職の時は氷河期、最後の年金受給期は財源問題と何かと壁が高いです・・・・・。