finaseeに、楽天証券資産づくり研究所の篠田さんの記事が掲載されていました。
記事概要
外部リンク:finasee 【新NISA2年目へ】「オールカントリーやS&P500だけ」はもったいない―これらの“弱点”を補完する「2つの投資先」
新NISA元年の2024年、開始前は、リスク分散のためにオールカントリーとS&P500を両方持つなどの理解不能な記事、開始後は、オールカントリーとS&P500以外の投資を勧める記事ばかり目にした印象です。当ブログでも何度も繰り返し、取り上げさせていただきました。
当記事もしかりで、オールカントリーとS&P500以外に、インド株・高配当株・連続増配株の検討を勧めるものです。
著者は、お馴染みの証券会社の方で、インド株についてはブレない発言をされています。
原点を忘れない
2024年は、既に忘却の彼方にある一瞬の暴落を経験しましたが、株式のパフォーマンスは概して好調で、ほとんどの株式投資されている方は、高パフォーマンスを享受されたことと思います。
年末年始はお休みの方も多く、高パフォーマンスを振り返る機会も多そうです。さらに、2025年に年度が変わるとNISAの枠もリセットされるため、投資戦略に思案を巡らせる時期でもあります。そこに、「オールカントリーやS&P500だけ」はもったいないなどの記事を目にすると隣の芝がかなり青く見えるかもしれません。そんな時こそ冷静さが必要です。
原点といえば、定番のこちらのグラフです。1900年から2024年の国別株式時価総額割合の推移です。
全世界型株式インデックスは後追いだとかアメリカの比率が高いと揶揄されますが、中身は、その時々の趨勢により変化しています。
オルカンのベンチマークであるMSCI ACWIの推移です。日本の株式市場がアメリカに肉薄していた1989年から、わずか数%のシェアとなった現在の変化を吸収して、全世界型指数そのものは中身を変化させつつ成長しています。今現在は、近年絶好調のアメリカ市場の成長を享受しています。
1899年と2024年の市場規模の国別割合比較です。1899年といえば第一次世界大戦の15年前です。日露戦争もまだ5年先。その後の世界大戦、植民地の独立、東西冷戦とその終結など歴史をすべて知っていても、125年後、アメリカが圧倒的規模を維持、その次は、イギリスでもドイツでもフランスでもロシアでもオーストリアでもなく、日本が2番目の規模にいると予想できるでしょうか。
2024年の円グラフを見るとインドの立ち位置がわかると思います。将来の成長性も含めての現在の市場評価が反映されています。仮にここから急成長しても、日本のバブル期のように指数に変化が反映されます。
さらに、今、素人考えで割合を多少いじっても、影響は大きくありません。逆に、インド株の割合をアメリカ株並みに高めて、根拠なくリスクを負う覚悟があるでしょうか。
国別とは視点が異なる「高配当・連続増配株式」もしかりです。全世界株式指数連動型の投資信託に加えて、根拠ない素人考えで、これらの特性の株式比率を高める意義が見いだせません。全世界型株式インデックスはそれらも含めた指数であり、それらのパフォーマンスも反映されています。
特定の国や、高配当・連続増配といったファクター、業種別セクター、個別企業など、誰もが知らない成長先を予想して、先回りして投資を成功させる誘惑はとても魅力的です。上手く行けば利益を独占でき、アドレナリンが出まくるでしょう。
しかし、プロの集団でもできないことを一般の限られた知識と経験しかない一人の素人ができるでしょうか。我々が接している情報は、誰かの評価を経由した2次、3次情報が大半です。おまけに、その情報は利害関係が必ずしも一致しないため特定のバイアスがかかっていたりします。
トップ級の選手が集まったプロスポーツでも、平均以上の成績を残せるのは、極一部です。例えば米MLBでは、日本のNPBのトップクラスの野球選手ですら歯が立たなかったりします。投資の世界だけは、素人でも、成長投資先を選別でき、トップに立てると考えるのは甘いのでは・・・・・。
極めて限定的な、個人の知識、経験、情報源だけで、優秀な方の集まるプロ集団に対抗することは、できないのが普通と考えて、ブログ主は、趣味的にブログネタにしたり、実際の投資でも、限定的に楽しんだりするにとどめています。
相場が好調かつ新NISA2年目の年末年始こそ原点を忘れず、立ち返ることの方が大切に思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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