[雑感]S&P500、オルカン一辺倒に”落とし穴発見”…年利5%+αで億り人になった元会社員の”もう一つの投資先”

雑談

PRESIDENT Online掲載の記事です。この種の話題は語り尽くされている感があり内容は新鮮味はありませんがある種の教訓は見て取れるので取り上げさせていただきます。

記事概要

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S&P500、オルカン、MSCIコクサイ一辺倒では、過去の成績から年率5%の複利運用、これでは、お金が増えるスピードが速くないため、さらに成績向上のため「コア・サテライト戦略」があります。というもので、文中では触れられていますが”発見された落とし穴”でも何でもありません。

名前は仰々しいですが、戦略といったものではなく、70%程をインデックス投資、残り30%は個別株投資などで+αを狙いましょうというもの。

何度か当ブログで触れていますが、保有比率が低いほど全体への影響も小さく、70%のインデックス部分で年5%のリターンを得た場合に、残り30%の部分でインデックスの3倍という脅威の年15%のリターンを得られたとしても、全体では年8%(0.05*0.7+0.15*0.3)です。

逆に、この種の話題で避けられる+αの部分でインデックスに劣った場合、例えば、先の例で残り30%の部分では年±0%のリターンしかあげられなければ、全体では年3.5%です。何もしない方が良かったケースも当然ありうるのですが、これらに触れられることはあまりありません。

プロですらインデックスには勝つづらいと言われている中、素人が何年も連続でインデックスに勝ち続けられるかという観点からは、インデックス一辺倒ではなく「コア・サテライト戦略」の方が落とし穴とも言えます。

無論、個別株投資は楽しいで趣味として割り切って行うのは何ら問題なく、ブログ主も個別株も保有しています。

市場環境が良すぎる

会社員が簡単に一億」、「誰でも億り人」といった専門家ではない方の書籍が多数発売されたり、ブログやSNSで盛んに成功例が発信されるのは(含む当ブログ)、ひとえにここ十数年の株式市場が好調かつ、大きく円安に振れているからです。

約15年の円ベースのS&P500のETF(SPDR)の価格推移です。分配金を除いても、年単純換算で、数十%の脅威のリターンです。

直近5年の円ベースのオルカン(MSCI ACWI)のETF(2559)の推移です。分配金を除いても、年単純換算で、20数%とこれまた脅威的なリターンです。

結局、ここ十数年は、(何回も訪れた目先の下落局面で狼狽売りせず長期投資の原則に則ってホールドしていれば)、誰がいつ何をしても、インデックス投資であれば過去平均以上のリターンを(今の時点では)得られているため、ほぼ全員がインデックス投資を礼賛し、自分の投資手法と成績を誇らしく開示したくなる局面だからにすぎない状況ということです。

結果論であり、なにか特別な才覚があったわけではなく、必然ではなく偶然の産物に過ぎないとも言えます。

また、無数にある資産関連で、株式投資だけ報われることは通常ありえないため、実質的なリターンに関しては、インフレや賃金為替など何処か別のところでも調整されているまたはこれからされると考えるほうが自然です。

逆の局面では

今現在は、取引時間中、最高値を更新したりしている元気のいい日経平均株価の長期チャートです。当時世界第2位のGDP規模を誇り、一時は米国にも肉薄していた日本の株価指数に、半値だからお買い得!と誰しも思う最高値から-50%ぐらいの水準で投資しても、10数年にわたり、さらに資産評価-50%マイナスに耐えなければならい時期がありました。

仮にインデックス投資を無条件に礼賛して、全力投入し、2000年3月退職、いざ老後資金と思いきや資産半減のまま、寿命との戦いとなっていました。10数年間にわたり投資元本対比-50%の資産を、盛んに言われる「長期投資」「複利の働き」「資本主義は成長がドライバー」などの薄い根拠だけで、持ち続けられたでしょうか。

「There’s no such thing as a free lunch」が大原則です。株式投資は、自分ではコントロールできない要素が多分にあるため、他人の運の善し悪しに感情的になる必要はなく、さらに運の良かった他人の主張を真に受ける必要もなく、必要なだけ自分で考えて確率的に淡々と各自取れる範囲でリスクを取って、市場に居続け、利用すればいいだけと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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