PRESIDENT Onlineさんに掲載されたFPさんの記事を紹介します。なかなか興味をそそられるタイトルではないでしょうか。
記事概要
外部リンク:PRESIDENT Online 資産運用の9割はこれで決まる…お金の専門家が実践するiDeCoと新NISAで使える「リアル資産配分」全公開
プロのFPさんの記事でかつ、サブタイトルで「世界トップクラスの日本の年金運用機関「GPIF」のリターンを上回る」とありますので、参考にしようと読んでみました。プロの方がご自身で運用している内容を公開していただけるとはありがたいですね。
一言でまとめると投資の成果の9割は、「アセットアロケーションで決まる」という半ば常識的に語られている内容でブログ主も賛同できるなと思いました。また新NISAが盛り上がる時期にiDeCoのメリットも紹介されているのは素晴らしいですね。皆様はどう感じられたでしょうか。
一方で、記事の文字数の関係から、書ききれなかったと思われる気になる点もありましたので、見ていきます。
気になった点
アセットアロケーションの根拠
ご自身で「攻めた」と書かれていますが、国内外の株式と債券に加えて、海外の不動産・金の比率を大きく取られています。この比率にした根拠は記事中に書かれていないので、気になりました。
全体のアセットアロケーション
iDeCoや新NISAは、器に過ぎず、アセットアロケーションを考える場合、預貯金や特定口座なども含めた資産全体で考える必要があります。ところが、記事中では、あたかもiDeCoの中だけで考えているように見えてしまいます。
全資産がiDeCoの中で完結していれば、別ですが、木を見て森を見ずにならないよう注意が必要です。新NISAでも、同じです。新NISA内だけで比率を考えるのは十分ではありません。
利益確定の基準
アセットアロケーションを決めたら、定期的にリバランスすることが推奨されます。これにより、高くなった資産が自動的に売却され、安くなった資産を購入することが機械的に行われることとなります。
ところが、FPさんのポートフォリオでは、外国株式クラスに3商品あるため、リバランス大変そうです。プロの方であれば容易いかもしれませんが、一般人が細かく計算して売買するのは面倒そうです。
加えて、細やかな「利益確定」をされ、さらに、定期預金に積立てていると書かれています。特に手法は書かれていないため、これだと、職人芸のタイミング投資となってしまいます。プロであるFPさんではいざしらず、一般人では再現性が乏しく真似することは難しいと思われます。
最初に決めたアセットアロケーションも崩れますし、稲妻が光る瞬間と言われる株価高騰の瞬間をのがしてしまうリスクも負ってしまいます。
新NISAでは必ずしも当てはまらない
タイトルは、「iDeCoと新NISAで使える」とあります。しかし、新NISAでは、売却したら枠が復活するものの、復活するのは翌年です。投資額次第ですが、新NISAでは、iDeCoのように売買することとは親和性があまりないことは理解しておく必要があります。
新NISA内でアセットアロケーションを完結させるならファンドの中でリバランスしてくれるバランスファンドも検討すべきです。さらに非課税の恩恵を最大限活用するなら、期待利益の大きい株式クラスで新NISAで埋めて、NISA外で個人向け国債などと組み合わせる方がいいかと思います。
もうひとつ、新NISAでは、恒久的な制度のため、将来的に老後資金として、運用を継続しながら定率または定額で取り崩すことを考えている場合もあるでしょう。
この場合、全資産から一律自動で取り崩せるサービスを証券会社が提供してくれてない場合、数多くの商品を手計算して定期的に取り崩す必要が出てきます。とても面倒そうですよね。
取崩しや将来的な管理をふまえると、運用商品は少なければ少ない方がよさそうです。
最後に
個人的には、専門家が運用を公開されているので、一般人には必ずしも当てはまらない部分や字数の関係から部分的な説明にならざるを得ないので、補完して読む必要がある記事だなと思いました。
後は、記事とは直接関係ないですが、実験的FIREとして資産取崩しを部分的に経験してみて痛切に感じたのは、商品がバラバラあると取崩しが面倒だし、頭を悩ませてしまうということです。可能な限りシンプルな運用を心がけたほうが管理が楽で、将来の余計な負担を減らすことになります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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