GWに前後してドル円の為替相場が大きく変動しています。当局の介入がと騒がしいです。何度も、歴史的な円安という言葉を目にします。円安だから外国株投資は控えるべきというのはありか、見てみたいと思います。ちなみに、ブログ主は気にせず積立継続派です。
為替相場は予想不可能
相場の変動を説明する理論として、購買力平価説、金利平価説、短期的には需給や期待など提唱されていますが、それらを持って将来の予想に用いることはできないのが現状です。
過去50年で実勢相場が消費者物価購買力平価を上回っているのはごく短期間です。購買力平価でみると1ドル150円の水準は歴史的に異常値であり、長期的には、円高にふれそうにみえます。しかし、これはただのイメージで、過去は過去。将来は誰にもわかりません。
<余談>出典リンク先のユーロ円相場を見るとドル円とはまた違った世界が垣間見れます。
単純化する
外国株式に投資した後に将来円に換金して国内で消費することを前提とすると為替と株価の関係は以下の4パターンに整理されます。
将来の為替相場 | 将来の株式相場 | |||
円安 | 上昇 | ◎ | 円安と株価上昇で二重の恩恵を得られる。 | |
下落 | △ | 株式相場は下落したが円安で下落幅は押さえられる(2023年頃)。 | ||
円高 | 上昇 | △ | 株式相場は上昇したが円高で上昇幅は押さえられる。株式相場が上昇したのに円ベースでマイナスもありうる。 | |
下落 | ☓ | 円高と株価下落で二重のダメージを喰らう(2011年頃)。 |
直感的には、外国株投資においては、円安から将来円高になるといいことはなさそうです。でも、円高になると海外製品は安く買える可能性あり、物価も加味する必要があり単純ではないです。象徴的なのが海外旅行。気楽に海外に行って買い物三昧の時代もあれば、今のように節約のため日本からパックご飯を持っていく時代もあるわけです。
実際の全世界株
eMAXIS Slim全世界株式 通称オルカンのベンチマークであるMSCI ACWIの円ベースの推移とドル円相場の関係をみてみます。
<引用元資料リンク>
外部リンク:MSCI社DATA-SEARCH (MSCI ACWI 円建て指数)
外部リンク:日本銀行時系列統計データ検索サイト (ドル円相場)
ドル円相場は、1ドル200円超から80円まで、大きく変動しています。しかし、円ベースでのMSCI ACWIは、基本的に右肩上がりであり、円高になっても、為替の変動は株価の変動に吸収されているといってもよさそうです。もちろん将来はわかりませんが・・・・。
為替は気にしない
資産運用の最大の目的は、今現金で消費するのではなく、将来の消費のために購買力を維持することです。さらに、運が良ければ購買力を向上させることです。
全世界株式インデックスなら、60%以上アメリカ株の裏返しで、40%は、ドル以外の通貨を用いる国の企業に投資されています。無論円ベースの日本株も含みます。それらの企業が世界中で為替取引をしつつ事業活動を行っているわけですから、通貨ベースでも広く分散されています。
さらに、大多数の方が採用されているであろう積立投資は、株価のみならず為替相場の面でも時間分散されます。加えて、将来換金して、国内で円貨での消費する際も、一度に換金するのではなく必要に応じて取り崩すなら、ここでも時間分散が図られます。
株式投資において、将来予想は不可能である前提で、インデックス投資を選択しているなら、為替においても将来の予想は不可能だから通貨分散を図るという選択が合理的だと思います。
日本国内のインフレや各種負担増など経済状況を気にするなら、少なくとも、日本円の現金のまま持ち続けるよりも、一定程度は、全世界株式インデックスを通じて通貨分散も図っておく方が心理的にも、安心感があります(個人的感想)。いわば、円安に対する保険です。昔から外国株投資している方は、今まさに実感されているのではないでしょうか。
目先の円安に見える現象をもって外国株式インデックス投資を抑制するのは賢い選択ではないとブログ主は判断しています。
為替においても、このバイブルの発想です。予想できないからこそ分散です。
<超小ネタ>本書で「銘柄選択は、猿のダーツ投げと同じ」という象徴的な表現が出てきます。原文は「A blindfolded monkey」(目隠しされた猿)なのですが、第12版まで、まえがきのところだけ、何故かチンパンジーと訳されていました。最新の第13版で「目隠しされた猿」に変更されてました。なにか意図があった?お持ちの方はみてみてください。ちなみにAmazonのちょい見でも確認できますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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