[雑感]感想:ビギナー投資家は要注意。あいまいだから選ばれる「全世界株式」のワナ

雑談

OneNewsに著名なYouTuberロジャーパパさんのインタビュー形式の記事が掲載されていましたので共有させていただきます。マタオマ的な全世界株式に異を唱えるものですが・・・・・。

記事概要

外部リンク:OneNews ビギナー投資家は要注意。あいまいだから選ばれる「全世界株式」のワナ

詳細は、リンク先を確認いただきたいのですが、ざっくりと要約すると、以下3点です。

・自分自身で投資判断するために、勉強とリサーチが原則

・勉強せずNISAをはじめるなら、長期・投資信託・コアは米国株

・暴落で資産半減の可能性、嫌なら国債

ブログ主も、米国株投資に傾倒していた頃、登山しながら、ロジャーパパさんのYouTubeを聞いていたことがあり、懐かしく思い出しました。奇をてらう内容ではなく、良心的な内容で共感できるため共有させていただきました。特に、インデックス投資でも、「自己責任での投資判断」を強調されている点と国債の選択肢を提示されている点は素晴らしいです。

唯一意見が異なる点

「成長の実績」でより優れた商品があるとして、2008年からの騰落率グラフを用いて、アメリカ1本のS&P500連動商品を強調されている点です。

2008年から2023年11月末までで、S&P500が6.7倍に対して全世界株式は4.1倍と、無視できない差が生じています。

数値の差の理由は、全世界株式を構成する銘柄の約60%はアメリカであり、その成長を牽引しているのも主にアメリカだからです。その他の日本や欧州諸国をはじめとする先進国は、合計しても20%〜30%程度であり、その成長性はアメリカに及びません。また、成長性が期待される新興国は数%ずつしか含まれていません。

結局、アメリカ頼みのファンドなのであれば、米国株が100%のS&P500のほうが、より高い成長率となることは当然です。

出典:OneNews ビギナー投資家は要注意。あいまいだから選ばれる「全世界株式」のワナ

2008年以降での比較だと、絶好調のアメリカです。特に、2014年頃以降差が拡大しているのは誰の目にも明らかです。

しかし、2年遡り、2006年からの比較を見てみ見ます。こちらは、全世界(VT)VS S&P500(SPY)ではなく、全米(VTI)VS新興国(VWO)です。

出典:PortfolioVisualizerにより、ブログ主作成

いかがでしょうか。新興国株式インデックスは、リーマンショックの2008年まで米国株式を圧倒していました。リーマンショック後の回復も然りで、2014年頃まで9年間も米国株より高いリターンを誇っていました。アメリカはリーマンショックの震源地でもありました。

2013年の時点で、9年間もの実績をふまえて、今後の10年は新興国ではなくアメリカ株の時代だと予想できていたでしょうか。ブログ主は、全く予想できなかったです。当時のブログ記事は、新興国か先進国かといったものが多かったと記憶しています。

金融危機で痛手を負った米国・先進国に対して、人口増・迅速な財政出動で急回復した新興国の図式です。

ところが、2006年の時点で、伸び代のある新興国へ賭けて新興国100%のポートフォリオにしていた場合、9年間という人の一生では長い期間の実績で自分の投資判断に間違いはないと自信を深めていたところ、次の10年で惨憺たる結果を見ることになってしまいます。

わずか10年前後の過去の実績は、その後の騰落率を何も保証するものではなく、将来は予想できません。世の中の賢人ができないことを、1個人が洞察力深く未来の世界情勢を見通すことはできるでしょうか。今現在、「米国が人口増で世界経済の中心だから、今後の10年も覇者で有り続ける」といった単純な理由で将来予想できれば、みんな大金持ちです。少なくとも、人口増減と株式のパフォーマンスに相関関係はみられません。

そもそも、今や投資信託の資産残高上位を占めるeMAXIS Slim 米国株式は、2018年7月、同じく全世界株式は、2018年11月設定と、わずか5年少々しか経過していません。

何年間も実績を残し続けるのを目の当たりにすると、後付で理由を探すのは簡単なため、これからも永続しそうと錯覚してしまいがちですが、投資判断においては、将来は不確定であることを前提とすべきとブログ主は考えます。米国株はおろか全世界株式ですらしかりです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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