[運用全般]無知の知

資産運用

書店に行くと資産運用関連のコーナーには、「○年で資産を10倍にした私のとっておきの投資法!」といった思わず手に取ってみたくなる本が並んでいたり、ネット上でも、大量のお金持ちになる方法が数多く発信されていますが雑音に惑わされないことが肝要です。

陰謀論

「コンビニのセブンイレブンは、7+11=18=6+6+6 。ローソンは 文字通り、律法の息子、スリーエフ(FFF)、アルファベットの6番目だから、666。ローソンはスリーエフを吸収合併した。さらに、日本の貨幣を足し合わせると、1+5+10+50+100+500=666。日本の紙幣を足し合わせると、1000+2000+5000+10,000=18,000 18=666。このようにお金・コンビニという多くの日本人が利用する生活の場に無意識に、ヨハネの黙示録の13章18節にある獣の数字666が埋め込まれている。さらに、にわかには信じられないかもしれないが、青森にはキリストの墓があるのだ。そこにはキリストっぷなるコンビニまである。これは新郷村のホームページに記載されているのである。ユダヤ・キリストの系譜となる秘密結社は誰も知らないが、陰で日本を支配しているのである。」
外部リンク(キリストの墓):青森県新郷村ホームページ

このブログ主が作成した文章を読んでいかがでしょうか。
数字の部分は頑張って666を抽出していますし、ヨハネの黙示録と日本の支配はどう関係あるのか。ファミリーマートは?。ユダヤ教やキリスト教ってひとまとめにしていいか。そもそも秘密結社とは?と支離滅裂で文書の体をなしておらず荒唐無稽の話として一笑に付して終わりですよね(ブログ主の文章力が稚拙で説得力弱くすいません)。

しかし、キリストの墓(と称している)ものは、実在し、道路標識も実在します。サムネ画像はブログ主が過去訪問時に実際に撮影したものです。キリストっぷも実在のものです。そもそも上記のリンクは、正式な地方自治体のホームページです(本当に事実です)。

このように、666という結論先にありきで、それに適合する事実を後から選択して抽出したり、信頼性の高い地方自治体という公の組織の発信している不確実性の高い事実を混在させたり、さらには誰も正確な中身は知らないがインパクトだけはある言葉を巧みに操り、あたかも真実性があるかの文章を作成することは容易にできます。

自分だけ誰も知らない世界の秘密を知ってしまったと高揚感に浸るのではなく、ここで必要なのは、世界の歴史を学ぶこと、経済の仕組みを理解してセブン&iホールディングスやローソンの主要株主を確認すること、通貨・紙幣発行の歴史を確認することです。

資産運用における雑音

株式投資においても、偶然の大成功に対して後から裏付けとなる事実を抽出してあたかも再現性があるお金の設け方として本を出版したり有料商材を販売している例は枚挙に暇がありません。

自分があの時予想した通り、株高になった、円安になったと触れ回る記事は、ほとんどただの後知恵バイアスです。上がった下がったと触れ回り、あたったときだけ強調しているだけです。

大方の情報は雑音ですから、いちいち反応する必要はなく、ブログ主のように半分資産運用が趣味ならエンターテイメントとしてそれはないよと突っ込みながら読み流しておけばいいと思います。

そもそも職業として専門家がファンドを運用しても、インデックスに勝ち続けることは難しく、これまでの歴史の中で、世界各国の頭脳が集まる中央銀行が、あらゆる情報と知見を駆使して政策金利を決定しても、適温経済をコントロールできているわけではないのですから、我々一般市民が簡単に短期間で多額の富を確実に得る方法はありません。無知の無知がもっとも危険です。

会社法で株式会社の特長や仕組み、株式と債券の役割といった基本的な事項を学び、これらが何の目的で存在し、経済の中でどのような役割をはたしているのか、簿記や会計で会社のお金の流れを理解する。資産運用する前提として、また会社員であれば誰しも自らの立ち位置を理解する上でまず必要なリテラシーです。

余談・WBC2023

本記事執筆は、WBC決勝2日後です。感動的なフィナーレでブログ主も酔いしれました。選手の皆様本当にありがとうございました。

結果から見ると、ヌートバー選手招集から、準決勝の劇的な9回裏の逆転劇、最後の大谷選手とトラウト選手の同僚対決まで、まさに野球の神様がシナリオを作っていたかにみえます。本当に感激的でした。
しかしながら、村上選手のセンターへのあたりが少しでも手前に失速していればどうだったでしょうか。センターがファインプレーしていたら・・・。決勝でトラウト選手の前のバッターにゲッツーをとれず最後、トラウト選手が逆転2ランを打っていたら・・・。

偶然てなんとも素晴らしいものです。

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