[損害保険]必要な補償に限定

支出見直

生命保険が人の生命を対象とするものに対して損害保険は物や権利を対象とします。生命保険同様に保険料を支払う必要があるため、必要な補償に絞ることが重要です。特に損害保険の場合、相互扶助の観点から発生する確率は小さいが発生したら負担しきれない損失が発生する事象に備えるという観点が重要です。その観点から、自動車保険と火災保険+地震保険、個人賠償責任保険を取り上げます。

自動車保険

概要

自動車所有者は加入が法律上義務付けられている自賠責保険、加入は任意だが加入必須の任意自動車保険から構成されます。前者は保険料は各社一律ですが、後者は保険会社によって異なります。

任意の自動車保険が必須な理由

高額な賠償に対する備え

死亡事故を起こしてしまったり、怪我をさせてしまった場合民事で法律上の賠償責任を負担します。死亡事故であれば、存命であった場合の生涯の収入に加えて、慰謝料と呼ばれる精神的損害の賠償が必要となり、数千万円超の負担が発生します。物損事故であっても、自動車のみならず高額な商品や家屋に対する高額な賠償が発生するおそれがあります。自賠責保険は人身事故のみが対象で、限度額は大きくなく交渉サービスも付いていません

事故の交渉

一般人が損害を確定して賠償交渉をおこなうことは知識面でも、時間の面でも相当難易度が高いとしかいいようがありません。相手も選べません。事故の大小を問わず示談交渉サービス付きの任意保険への加入で、民事上の交渉は保険会社が代理してくれます。

必要な補償と見直しポイント

必要な補償

上記の理由から、対人賠償保険・対物賠償保険は必須です。保険金額も無制限一択です。
また、事故の過失割合や相手の有無にかかわらず自分の怪我を補償する人身傷害保険もブログ主は必須と考えます。さらに、相手に賠償責任を追求する際に利用可能な弁護費用補償保険も付保しておいたほうが安心です。被害にあった際に相手方が保険未加入であったりした場合等に、専門家に交渉を委ねられるのは必要対効果を考えるとありだと思われます。

見直しポイント

事故の際に自分の所有車両に対する補償である車両保険は、要否を見直すポイントです。場合によっては総保険料の半分ぐらいは車両保険料の場合もあります。年間の車両保険の支払保険料と補償される最大額と、資産状況をふまえ本当に必要か検討してみてください。補償の範囲を狭くするかわりに保険料をおさえるエコノミータイプにすることも一考です。

次に、運転する方が確実に限定されていれば、運転者の範囲や年齢を限定する特約をつけることで保険料をおさえることができます。ただし、条件外の運転手の場合に補償を受けられないことは絶対避けねばならないため慎重に判断を要します。

特約については、任意でおすすめされているものは本当に必要か吟味して最小限にすることが鉄則です。

勤務先や所属団体に自動車の団体保険があれば、団体割引を受けられます。

なお、本体に加えて車検費用や保険料、ガソリン代に駐車料金とそもそもの自動車の保有コストが支出に占める割合は大きいです。カーシェアやレンタカーもありますので、「自動車を所有しない」という選択肢がとれればもっとも大きいです。しかし、超都心部を別とすれば実際には難しいでしょうか。

最も重要なこと 安全運転

生命や財産を守ることであり言わずもがなですが、金銭面でも最も重要です。自動車保険は等級制度が設けられ20区分に保険料が細分化されています。事故により請求した場合、保険料が割増になり、その影響が数年間も継続します。とにかく安全運転です。JAFのサイトでは各種安全運転情報が提供されています。損害保険の業界団体でも都道府県別の事故・危険場所のデータがありましたので参考にリンクを張っておきます。

参考外部リンク:日本自動車連盟
参考外部リンク:日本損害保険協会

火災保険+地震保険

概要と見直しポイント

住宅はもっとも高額な買い物ですが、木造家屋が多い日本では、火災のリスクや台風等による風災や水災は避けて通れません。保険の本質は、起こる確率は小さいが、起きてしまったら個人の貯蓄や運用のみではカバーできないリスクを多くの人が少しずつ費用を負担することでカバーするという相互扶助です。この本質にまさに当てはまるのが火災保険と地震保険です。

自然災害や自分の過失で住宅が損壊しても、ローンは残ります。また立て直す資力がある場合は例外的なケースと思われますので二重ローンを回避するためにも火災保険は必須です。

地震保険については、国と民間会社が共同で運用する公共性の高い保険です。通常は火災保険とセット加入で保険金額は火災保険の最大50%が限度となっています。支払い保険金も4つの区分で機械的に算出されるようになっています。地震の場合は、地震保険だけでは、ローンを賄うことはできないケースが多いと思われます。また、補修に必要な実費と受け取り保険金は一致しないことにも注意しておく必要があります。

火災保険や地震保険の目的は、住宅の損壊という万が一に備えることが目的です。もし関係ない特約等があればはずすことが支出の削減につながります。

なお、賃貸の方は関係ないと思われるかもしれませんが、自己の責任で建物を火災なので損壊させた場合貸主に賠償責任が発生します。賃貸の条件に加入を必須としているケースが多いと思われますが、借家人賠償保険への加入は必須と思われますので念のため記載しておきます。

その他注意点

昨今の自然災害増加により、2022年度より火災保険の保険料は多くの地域でアップしています。長期契約も最大5年に短縮されていることは承知しておいたほうがいいかもしれません。

参考外部リンク:損害保険料率算出機構2021.6.11参考純率改定のご案内

なお、料率算出機構は、保険料に占める純保険料(保険会社の経費以外の支払にあてられる保険料)を算出しています。おおよその自動車の車種別の純保険料なども、車種を入力すればわかるようになっていますので、中身を少しでも知りたい場合はみてみてください。

個人賠償責任保険

概要と見直しポイント

自転車を含む日常生活で民事上の責任を負った場合に賠償金をカバーする保険です。自転車保険は個人賠償責任保険と傷害保険がセットになったものが多いです。

自転車でも相手を怪我させてしまったり、自動車と衝突することがあります。日常生活でも、駅の階段で転倒した際に他人にぶつかって怪我をさせたりするなどのリスクがあります。スキーなどスポーツで怪我をさせてしまうこともありますし、子供がいたずらさせてしまうこともあります。相手は選べません。

任意の自動車保険と同じで自分での交渉は無理だと思いますので、金銭的リスクと、交渉のリスクに備えて家族分の交渉サービス付き個人賠償責任保険は必須と考えます。ただ、個人賠償責任の付保の目的はこの2つですので、不要な特約は極力はずすことをおすすめします。

その他注意点

個人賠償保険は保険料が高くないため、単体で加入するより、特約での加入がおすすめです。
自動車保険や火災保険で特約として補償追加できるケースが多いです。また、クレジットカードに付帯していたり、クレジットカード会員の団体契約として追加できるケースもあり比較的低廉でもあります。いずれかの手段で確保しておくことをおすすめします。

また逆に、気づかない間に、二重に加入してしまっていたり、夫婦間で重複していたりすることもあります。無駄をさけるためにも家族の保険を確認することも支出の見直しにつながるかもしれません。

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