記事概要
外部リンク:LIMO 「オルカン」より良い商品とは?iDeCoで運用資産残高1400万円を超えたベテランに元銀行員が聞いてみた
内容はインタビュー形式の記事で、主にiDeCo投資の経験談となっています。よって、タイトルは疑問なのですが、最近では珍しく、懐かしい先進国株式(記載はないが、投資可能な、おそらく先進国除く日本のMSCI kokusaiインデックス連動投信)が記事中に登場していたことです。
かつては、外国株インデックス=先進国(除く日本)で、日本株と対等に比較されていたものてすが、現在は、全世界とS&P500の比較が専らで、つくづく時代の流れを感じます。
折角なので、直近の全世界株式(オルカン)と先進国株式のパフォーマンスを比較して、新興国を含むか除くかで違いが生じているか確認しておきたいと思います。
MSCI ACWI VS MSCI kokusai
iShares社の提供する米国ETF(ACWIとTOK)を用いての、2008 1.11からの約16年と直近5年間での全世界株式(黄色)と先進国株式(青線)のドルベースでの比較です。
16年は、2008年のリーマンショックと2020年のコロナショック、直近5年は2020年のコロナショックの暴落期を含みます。


それぞれ経費率が異なり、純粋なインデックスの推移とは異なります。また分配金利回りも各々異なりるので、参考値ではあります。
しかし、推移はほぼ同じ。期間により、有利不利はわずかに変わっているもののほぼ誤差です。この程度の期間では、時価ベースでたかだか10%前後の新興国(ついでにいえば、5%~10%前後の我が日本も)が、含まれていてもいなくても、大勢には影響は大きくないと言えそうです。切り取る期間で変わってきそうです。
今先進国株式で運用していてオルカンに切り替えるほどの差異はなさそうです。
MSCI ACWI | 2007年度末概算比率 | 2024年度末概算比率 |
アメリカ合衆国 | 41.8% | 66.6% |
日本 | 8.6% | 4.8% |
英国 | 9.6% | 3.1% |
その他先進国 | 28% | 16% |
新興国 | 12% | 10% |
参照元 :三菱UFJ信託銀行 調査情報2008年度 視点
:MSCI ACWI FACTSHEET
こちらは、約16年間でのオルカン(MSCI ACWI)の構成国比率の変化です。日本含め先進国が半減に近い比率で減少している分、アメリカの時価比率が拡大。新興国は構成比率では大きく変わってはいません。

ちなみに、10%ほどの新興国の中の比率では、インド株式の比率が徐々に高まってきています。
外部リンク:日興アセット楽読 「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」
~高まるインド株式の存在感~
また、中国単体が及ぼす影響についての過去記事はこちらです。
細かな指数の違いより非課税口座
過去のパフォーマンスを重視する運用は、車のバックミラーを見ている状況と似ていて、未来を見ているわけでは決してありません
記事中のインタビューされている方のコメントです。
その通りで、過去は過去です。しかし、一方、未来は誰も見通せるわけではないので、車の前を見て運転し続ける(=目前の変化に愚直に追従する)広く分散された時価加重平均型のインデックス運用は、十分採用しうるものだといつも思います。
運転していない我々素人が助手席から、新興国を外す含めるとか、日本を外す含めるとか言っても、大きな意味はなく、運転手からはうるさいノイズでしかありません。運転は黙って指数に追従するインデックス投信に任せておくのがもっとも合理的で安心と思います。
似たような指数の細かな違いへの拘りや自己流のアレンジは、労力の割に結果への影響はさほど大きくなかったり、下手すればかえってパフォーマンスを悪化させていることも。このあたりは、思考訓練や趣味的に楽しむ部分かもしれません。
それよりも、インデックス運用するなら、運用中の非課税と所得控除という強力な確定拠出年金・iDeCoや、恒久非課税制度に神変貌したNISAなどの税制優遇制度を可能な限り活用することに注力し、できるだけ早く開始することの方が意味合いは大きいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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