DIAMOND onlineの意味不明な記事タイトルです。見落としも、手数料より大事なことなども存在しません。
記事概要
外部リンク:DIAMOND online えっ、5年で資産が2.3倍に!?新NISAでオルカン一択の人が見落としている手数料より大事なこと
要は、見落としている手数料より大事なこととは、「NISAつみたて投資枠で購入可能なインデックスを超えるアクティブファンドがある」から、オルカンばかりではなく、アクティブファンド保有を検討してみようという内容です。
その根拠は、5年の騰落率でインデックスファンドを超えているアクティブファンドがあるというもの。インデックスは平均株価ゆえ、インデックスを超えるアクティブファンドがあるのは当然。問題は、5年という短期ではなく長期で上回り続けることが難しく、仮に存在していても、事前にそれを選ぶ方法がないということに尽きます。
おまけに、指定指数以外のインデックス型とアクティブ型は57本とされ、その中から12本が紹介されています。選定根拠は不明ですし、わざわざインデックスに劣後しているアクティブファンドを数多く列挙する理由もわかりません。
アクティブファンドを推奨する記事は書かなければならないけど、読者も裏切れないので苦肉の策として敢えてそうした列挙の仕方をしたのかもしれませんが・・・・・・・。
いずれにせよ、理由は何であれ、大手マネー誌がこのような安直な釣り記事を作成するのは残念の他ありません。タイトル通り、本当に「えっ」です。
スポンサーや営業への配慮、売って利益を出さなければならない側の記事は、一般消費者と利益相反になりやすい典型例です。
楽天SCHD
アクティブファンドとまで行かずとも、配当など特定の要素に着目したスマートベータ型のインデックスファンドを目にする機会も多いです。
例えば5月23日より経費率が改定されたこれなどです。


このファンドの元となる投資対象の米国ETF シュワブ社SCHDの10年の分配金を、バンガード社の類似の連続増配ETFであるVIG及び、全米株式のVTIと比較したものです(portfoliovisualizerにて表示)。記事作成時の直近の分配利回りは、それぞれ3.84%,1.93%,1.38%です。連続増配率とあわせてみると、SCHDは、凄まじく優秀な高配当ETFにみえてしまいます。

しかしながら、分配金再投資を前提に、分配金(インカムゲイン)+キャピタルゲインで10年のトータルリターンで三者を比較すると、時期によって異なり僅差でもあるも、余計なことはせず全米の大中小型株へもっとも幅広く分散投資するVTIが、結局、最も高パフォーマンスとなっています。

こちらは、分配金を再投資しないキャピタルゲインだけの場合の比較です。分配金が伸びれば伸びるほどキャピタルゲインは低下してSCHDはVIG,VTIと差が開いていることがよくわかります。
配当金・分配金は投資の成果として認識しやすく過度に魅力的に見えてしまうので、配当・分配だけではなく、トータルリターンの視点を忘れてはならない一例です。
このように、アクティブファンドのみならず、インデックスファンドにおいてさえも、オルカンを筆頭とした手数料がもっとも低廉で幅広く分散された古典的な時価加重平均型インデックスに連動するファンド以外の少しだけ高コストのファンドのセールスに熱が入れられています。
余計なコストをかけて趣味的に投資するなら、致命傷を追わない範囲で、敢えて売り手側のセールに乗っかって古典的インデックスと騰落比較を楽しむ、または分配金で優越感に浸るのもありです。
しかし、本筋である時間の有効活用と、個人の資産価値の最大化することが目的なら、オルカン一択で見落としはなく、手数料より大事なものはないという結論でいいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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