[雑感]整理:「オルカン信者は思考停止」なぜ投資のプロたちは「オルカン」をやらないのか

雑談

少し前に、XやBlogで取り上げられ話題になったNewsPicksさんのYouTube動画です。オルカンの記事が溢れているため、必然的に当ブログでも、オルカン関連の紹介記事が続いていますが、ここらで一度記事を分類整理しておきたいと思います。

動画

有料会員しかフルバージョンは視聴できませんが、一部は誰でも視聴可能となっています。

「オルカン」は商標登録されていた!

内容はさておき、ブログ主が本動画で得た知見は、「オルカン」が、三菱UFJ投信さんにて、商標登録されていたということです。

トレカン」「ノムカン」「ラクカン」などと同じ、単なるあだ名の類と理解して、当ブログでは全く意識せず呼称として使用していました。正式に「オルカン」と名乗れるのは、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)のみとは知らなかったです。

オルカンの記事があふれる理由-公募投信純資産残高2位

圧倒的な資金流入を見せつけています。1月では、3,439億の流入があり、全投資信託中、1位の資金流入です。3月2日時点で、純資産残高でも、Slim S&P500についで2位の規模です。

出典:日経オンライン 投資信託1.2兆円資金流入 24年1月、16年5カ月ぶり水準

外部リンク:日経オンライン 投資信託1.2兆円資金流入 24年1月、16年5カ月ぶり水準

動画中でも冒頭、「流行」もはやイデオロギー化と紹介されている通り、資産運用界隈の象徴的存在となっており、プロ野球界における大谷選手のごとく、避けては通れない話題となっています。

ちなみに、わずか3か月前、新NISA制度開始前月は、資産残高3位でした。あっという間に順位を上げました。

オルカン関連記事の分類

かつてのグロソブや米国株、レバナスなど同様に避けては通れない話題だとしても、信託報酬は最安値水準でかつ全世界の株式市場を代表する指数に連動する投資信託のため、記事として書くことがありません。「大多数の人にとってこれ1本で終わりです。」の一言で終わってしまいます。

しかし、投資に関する記事を作成する場合、仕事にならないため、無理矢理に膨らませることになります。膨らませ方は大概以下の3通りに分類できます。大概の記事はこれらの組み合わせにすぎません。

指数そのものの否定

例えば、eMAXIS Slim 全世界株式がベンチマークするMSCI ACWI指数が、60%以上米国株を含むため分散していないとの言説が代表的です。

一見、理がありそうに見えますが、インデックス運用を採用しておきながら、インデックスを否定する意味不明の内容であることが多いです。60%以上米国株を含むのは、今現在は米国市場が巨大であるため、それを忠実に反映しているからであり、それ以上でも以下でもありません。指数は、その時々の姿を反映し、変遷し続けるものです。

ベンチマーク超過の可能性

インデックス運用に加えて、高配当や、インド株、新興国株、米国株等でアクセントをつける言説です。ベンチマークを超えるアクティブ運用をすすめるものですが、根拠が提示されているものにはまずお目にかかれません。

そもそも、数ページの記事のみでインデックスを超えられれば誰も苦労しません。それがあれば、すぐ商品化され大人気となるでしょう。

人的成長につながらない

資産運用手法ではなく、付随的な効果に関するものです。

本動画で「オルカン信者は出世しない」と若干センセーショナルなタイトルがつけられています。言いたいであろうことは、思考停止で理屈も理解せず妄信的に全世界インデックス投資信託を購入するだけでは、利益の源泉であるビジネス活動や世情を肌感覚をもって理解する機会を失ってしまうという言説です。

株式投資を始めたことで、社会経済に対する関心が飛躍的に高まり、より深く学ぶきっかけになったということはよく言われます。これについては、ブログ主も経験上そのとおりと思います。

しかし、これはオルカンをはじめとするインデックス投資の否定にはなりません。インデックスであれ個別株であれ、投資の世界を通じて興味関心が大きく広がるかたがいらっしゃる一方、株式とはなんぞやと全く知識なしに短期売買して終わりの方もいらっしゃいます。

人間としての学びや成長と資産運用は、中立的な関係であり、オルカンでの運用の是非とは直結しません。

オルカンのシンプル理解

他所様のブログに共感できる核心をついた解説がありましたので、引用して紹介させていだきます。

オルカンやS&P500を長期保有する戦略は何をしているか?

以降では、総論と各論に分けて、新NISAでオルカンを買うとはどういう戦略にベットしているのかを説明したい。

総論編 オルカンのリターンは環境が悪い時期を耐える見返りである

保有者が認識しているか否かに限らず、全世界株インデックスを長期で保有するという投資行動

高いボラティリティ(年率20%程度)と

大きなドローダウン(▲30%から▲50%の下落が10年スパンで訪れる)に耐えて
(→「ドローダウン」は「高値から安値までの下落」のこと)

年率5%から8%程度のリターンを得る

という戦略を採用している。

引用:儲からない投資の知識 NISAでオルカンやスリムS&P500を買ったけど不安な人へ(あなたの取っている戦略を説明しよう)

外部リンク: 儲からない投資の知識 NISAでオルカンやスリムS&P500を買ったけど不安な人へ(あなたの取っている戦略を説明しよう)

かくの如しシンプルであるがゆえ、語るべきことはなく、かえってノイズにあふれる言説がまん延する要因となっているのです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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