推測
外部リンク:ダイヤモンドZAI NISAで「米国一択」はもう危険…注目の“除く米国”インデックス投資信託4本とは
先日も取り上げましたが、最近大手メディアから発信される情報に、米国や全世界投資に否定的な論調が目立ち始めています。少なくとも、これまで散々、米国は、新陳代謝とイノベーションが起こりやすく、先進国で唯一人口増加など他の地域とは異なる特別性があり容易には地位は揺らがないと散々持ち上げられてきた状況は何も変わっていないはずなので、不思議な現象といえます。
ブログ主の個人的見解で根拠として推測されるのは、
1.低コストの特定の投信が圧倒的に売れ続けているため他の投信を売りたい業界全体の圧力
この側面からの記事は多いように思います。

2.特定の話題に飽きてきた購読者対策
媒体の収益元が広告であれば、常にフレッシュな話題を提供することは欠かせないです。
3.感情的反応
現在の米国政権の運営方針が、旧来の自由貿易体制とは一線を画していることは、素人目にも明らかで、予想できない将来へ不安を掻き立てられている可能性があります。
また、ここ10数年、事実として米国株は圧倒的なパフォーマンスを発揮してきたため、感覚的にこのような好調が続くはずはないと反応している可能性もあります。
検証
明確な根拠は見いだせないので、ひとまず、今回引用させていただいた記事の根拠部分を確認してみると、
米国の先行きに、不安が生じている。株価はトランプ大統領の発言や政策で乱高下。長期的な経済成長力の低下を懸念する声も多い。
さらに、円高ドル安の進行が足を引っ張る。2025年の年初来、円換算で見た上昇率は日本株や欧州株、新興国株など他の地域のほうが高い。2025年4月のトランプショックでの暴落後、米国株自体は上がっているのだが、円高で帳消しになっているのだ。
米国に投資先が偏っている人は、他の地域への分散を検討しよう。
ダイヤモンドZAI NISAで「米国一択」はもう危険…注目の“除く米国”インデックス投資信託4本とは
たったこれだけです。これだけで「もう危険」ならば、最初から株式投資は控えておいた方が無難です。何故米国株に集中したり、全世界株を選択したか意味不明になるレベルです。
一応、年初来のパフォーマンスを米国ETFでドルベースに統一して、実際に確認してみます。ドル円相場はこれで、中立になります。日本株=EAJ 、欧州株=VGK 、新興国株=VWO、米国株=VOOです。

2025年1月~8月の8ヶ月の推移だと確かに、欧州株>新興国株>日本株>米国株の順です。米国株は、相対的な年初来パフォーマンスは低迷しているため、確かにドル円相場が円高基調となると「帳消」はあながち間違いではないものの、それは他の資産クラスにも同様です。

こちらは、2015年8月~2025年8月の直近10年の米国株の圧倒的なパフォーマンスです。日本株、欧州株、新興国株の差が誤差にしか見えません。目先の数ヶ月など全く意味をなさないことは明白です。
予想不能

こちらは、MSCI ACWI指数の2015年時点の構成国比率です。現在6割を超える米国比率は、当時5割ほど。結果論に過ぎませんが、もし、当時、米国一辺倒は危険等、何かもっともらしい理由で、主観的に米国株比率を下げていたら、ここ10年の米国株成長の恩恵は受けられていなかったことになります。
ちなみに、当時は、翌年2016年イギリスのEU離脱決議、2017年第一次トランプ政権発足の頃です。その5年後はコロナ禍で世界が激変したことは記憶に新しいところです。

こちらは、さらに長期な30年間の世界株式市場の時価推移です。1995年は日本では震災、地下鉄テロが起こった年です。Windows95が発売された年でもあります。
歴史を知ったうえで当時に遡っても、世界経済の国別規模、セクター別ウエイトどれをとっても、時の流れと変化を予想することは困難であることわかります。
いわんや、わずか数カ月間のもっともらしい出来事をピックアップして、それらしく将来を語るということは、いかに無意味なことか。確定的な未来を前提とする誰かの発言はノイズでしかありません。それを前提に行動しても発言者は何も責任を取ってくれず、リスクを負担するのは自分自身です。未来は誰にもわからないことを前提に行動すべきと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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