[運用全般]母をたずねて三千里とインデックス投資

資産運用

G7広島サミットが開催されます。ブログ主の50代の世代は子供の頃タイトルのアニメをみた記憶があると思います。当時は異国の物語程度の認識ですが、インデックス投資の観点から、アニメの時代背景を見直すと国家の盛衰は予想できないことを思い知らされます。

母をたずねて三千里

何がすごいかと言うと、この物語は、「1882年のブエノス・アイレス(アルゼンチン共和国の首都)に出稼ぎに行ったまま、音信不通になっている母アンナ・ロッシを尋(たず)ねるべく、主人公のマルコ・ロッシがイタリア・ジェノヴァからアルゼンチンへと渡る姿を描く。」という点です。

イタリアからアルゼンチンに出稼ぎに行っているんです。アルゼンチンと言えば、国債がデフォルトしたり経済的に不安定なイメージですが、当時は、ヨーロッパから出稼ぎを受け入れるほど安定し、世界恐慌がおこった1929年は、世界で5番目の富裕国と言われていました。

首都のブエノスアイリスは、南米のパリといわれるほど美しい町です。GDPでみても、第二次世界大戦前後TOP10に顔をのぞかせます。そのアルゼンチンが、19世紀以降唯一の先進国から脱落した国となりました。

世界の4つの国

景気循環論で有名なノーベル賞経済学者サイモン・クズネッツは「世界には4つの国がある。先進国と途上国、そして日本とアルゼンチンだ」とジョークを飛ばしたといわれています。

母をたずねて三千里が放映された1976年は日本も参加する現在のG7の枠組みが固まった年です。江戸幕府が終焉した大政奉還から2度の世界大戦を経てわずか100年後です。日本は、新興国から敗戦を経ても先進国であり続けていました。

その年から20数年後、日本はアメリカのGDPに肉薄するまで経済的に成長し、その後20年以上低迷し、現在に至っています。

広島サミット

全世界で数千万人規模という想像すらできない未曾有の犠牲者を出した第二次世界大戦で、敵対国同士だった国がG7という枠組みを約50年も維持し、世界で最初に原子力爆弾の戦禍を受けた広島でサミットを開催します。

かたや、連合国側であったロシア(ソ連)は、かつての連邦国であるウクライナと戦争をし、中国は、イギリスから返却を受けた香港での施政や台湾、南シナ海での問題からG7諸国と距離を置きつつある状況です。

個人的願望としては、歴史上稀有な機会であり、人類が良き方向に進めるようこの機会に叡智を結集するよう祈るばかりです。

しかし、日本は国家として先進国、G7の立ち位置を保持し続けることは持続可能でしょうか。

インデックス投資

国家レベルですら、短期間で栄枯盛衰は繰り返されています。いわんや企業レベルではです。

将来は不確定です。成長していく国、企業、衰退していく国、企業は、個人レベルでコントロールはおろか予想することは不可能です。個人レベルでのインデックス投資は、数年単位の変化ではなく、数十年単位の変化にマーケットメカニズムを通じて常に追従していく点で、将来の自分への仕送りの有用な選択肢であることは間違いありません。

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