少し前ですが、2023年の結果が公表されています。本年度は、初投票させていただいたので、様々思ったことを記したいと思います。
感謝
外部リンク:「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2023」
投票時にも、同じことを書かせていただいたのですが、
まずは、おそらく本業を持つ個人の方が、2007年から15年以上、ボランティアで開催されていることに心より敬意を表したいと思います。継続されている期間もさることながら、金融庁長官にコメントを頂いたり、早くから運営会社の方とも人間関係を構築されているのは、すごいの一言です。個人を中心とした資産運用環境の劇的な改善への貢献は、計り知れないものがあります。
個人的にも、2008年に本格的に株式投資に舵を切り、それから15年実験的ではあるものの、ちょっと遅めのFIREにまで到達したのは、当該関係者の方のブログや本賞のお陰でもあり、心より感謝しています。
振り返って感じたこと
ファーストペンギン
2000年代は、ネット証券の黎明期です。今や預かり残高1,2位を争うSBI証券と楽天証券が合併や商号変更を経て今の形となったのは、2004,5年の頃です。
2007年~2011年頃の過去のFund of the Yearから既に、バンガード社の米国ETFであるVTIやVTが登場しているのですから参画されていたブロガーの皆様の先見の明に驚かされます。まだ、国内の投資信託では、低コストな全世界や先進国に投資するインデックスファンドがほとんど存在しない時代です。
VTなど楽天証券で扱い開始されたのは、2009年6月からに過ぎなかったのですから。
さらに、米国ETFが特定口座に対応したのは、SBI証券2016年、楽天証券2014年でしかありません。それまでは、確定申告が必要な一般口座でしか、米国ETFは買えませんでした。
本賞自体、ブロガーであれば誰でも投票可能になっているにも関わらず、現在に至るまで受賞ファンドがほとんどぶれないのも驚愕です。コストの関係で商品は入れ替わっていますが、連動するインデックスは今に至るまでほぼ同じ顔ぶれです。
また、インデックス投信のみならず、ひふみ投信や鎌倉投信、最近では、おおぶね など顔が見える運用をされているアクティブファンドも、早い時期から入賞継続していることも、参加されていた方の慧眼には恐れ入るばかりです。
流行り廃りも垣間見れる
まずはこちらを御覧ください。
青線=SPY(S&P500連動米国ETF)
赤線=VWO(新興国インデックス連動米国ETF)
2005年4月からの配当再投資のドルベース値動きです。今では、飛ぶ鳥落とす勢いのS&P500ですが、ドルベースでは、2005年4月に一括投資すると、2015年まで10年間も新興国株式インデックスに劣後していたことになります。
リーマンショックの2008年10月頃までの新興国の勢いとショック後の回復は目を見張るものがあります。一方で2020年3月頃のコロナショックでは、完全に真逆の動きで、ショック前の勢いとショック後の回復で、S&P500がぶっちぎりの勢いです。
直近好調なインデックスに目が向きがちなのは人情です。歴代のFund of the Yearの入賞ファンドを見ると、常に上位入賞の全世界や先進国のインデックスファンドとともに、2008年からしばらくは、新興国インデックス連動ファンドが、2018年頃からは、S&P500連動ファンドが上位に登場しています。NASDAQが絶好調な2020,21年頃は、通称レバナスが上位に顔を出していたりもしていますが、2023年は下位の方です。
2000年代初頭は、これからは、新興国の時代だと新興国のウエイトを高めるべきという論調が多く見受けられました。現在の米国集中すべきという議論と同じようなことが新興国株式で言われていたのです。
歴代のFund of the Yearの入賞ファンドを見ると一定割合で、直近好調な指数に連動するファンドが後追い的に数年だけ顔を出す傾向が見て取れます。特定の国、先進国・新興国といった国別グループの投資成果すら予想困難であり、やはり、全世界株インデックスに長期で分散しておくのは一つの手段だと歴代のFund of the Yearの入賞ファンドを俯瞰してみてあらためて思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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