[雑感]人を惑わす言説に惑わされないシンプルなフレームワーク

雑談

資産運用界隈では、セールストーク含めて数多くの論説・主張が展開されて玉石混交の状態です。偽物に惑わされないためのシンプルな思考枠組みを紹介します。

「無知の知」と「無知の無知」

『史緒さんの場合、恥じ入る心がある分だけ、まだマシである──つまり「無知の知」。最悪のケースは、「お嬢様もどき」のくせに、何か勘違いしてる奴──これは「無知の無知」。では、本物の場合はとゆーと、それを意識せず自然に本物なので、さしずめ「知の無知」とでも申せましょーか?』

白泉社刊「笑うミカエル」川原泉著

ブログ主が、30数年前の学生時代に偶然読むことになった少女漫画の一節です。「無知の知」当時から印象に残って事あるごとに思い出しています。

「知の知」  -神様
「知の無知」 -賢者
「無知の知」 -害のない凡人
「無知の無知」-害のある凡人

偶然の資産運用の成功を再現可能な必然の手法のように自己礼賛するインフルエンサーや、議論の噛み合わない政治論争にしばしば登場するのが、「無知の無知」の人たちです。日常生活でも遭遇します。

外部リンク:「自分がダメだという自覚のない人」が思考停止する理由

特に所有金銭の増減を伴う資産運用においては、「無知の無知」に陥っていないか、影響されていないか、常に自省が必要です。目指すべき「無知の知」は、インデックス投資に通ずるものがあります。資資産運用の世界で「知の知」「知の無知」を体現している人々はごくごく少数いるかいないかでしょう。

ちなみに、「無知の知」は、ソクラテス哲学に由来していて、自らの無知を自覚することこそが、真の認識に至る道であるということを示しているそう。調べていて今更ながら知りました。てっきり、漫画のセリフとばかり・・・・・。

ブログを書くために、「笑うミカエル」30数年ぶりに新規購入して読みました。今読むと80年代テイストが散見されますが、依然色褪せしていません。漫画と侮ることなかれ、川原泉さん著の長編・短編はどれも、ほんわか緩やかな独特の優しい世界観に、文学作品や歴史、宗教への造詣がこれでもかとばかり深く散りばめられている名著揃いです。

読んだときに心が暖かくなり、一生の思い出に残ること間違いありませんので、是非手にとって見てください。

きれいは汚い 汚いはきれい

外部リンク:東京新聞Webコラム 幕開けとともに現れた魔女たちが言う。<きれいは汚い、汚いは…

<きれいは汚い、汚いはきれい>。シェークスピア『マクベス』の有名なセリフだそうですが、ブログ主は、この言葉も、川原泉さんの漫画由来と思い込み、記憶していました。ただ、出典は見つけられていません。

日常生活から政治まであらゆる側面でみられる現象です。

きれい:国民のため、国民に寄り添って「減税します」「給付金を支給します」「無償化します」
汚い:持続的社会構築のため、「増税も手段の一つです」「効果的でない給付は抑制します」「公平な相応の分担を求めます」

いずれが、真に国民のことを考えているでしょうか。

きれい:高配当投資は、誰でも簡単に最高の利益をもたらします。毎年こんなに配当を得られます。
汚い:持続的に配当をもたらす会社を予め選択する方法がわかりません。

いずれが、真に投資のことを考えているでしょうか。

近視眼的な思考ではなく、背景や予想される帰結など多角的な思考が不可欠です。美味しそうな毒リンゴは、食べてからでは手遅れです。

美しくみえるものに出会ったら、<きれいは汚い、汚いはきれい>を思い出して一度立ち止まってみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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