[雑感]「個人向け国債」の金利は上昇傾向…固定5年で1%に!でも「買ってはいけない」といわれる理由とは? 表面金利に惑わされないための、賢い国債との付き合い方

雑談

LIMOに興味深い記事が掲載されていましたので紹介します。

買ってはいけない理由

外部リンク:LIMO 「個人向け国債」の金利は上昇傾向…固定5年で1%に!でも「買ってはいけない」といわれる理由とは? 表面金利に惑わされないための、賢い国債との付き合い方

記事によると、「ネットや一部の投資家、専門家の間では「買ってはいけない」という意見も少なくありません。」とのことですが、理由付けに説得力がないように感じました。一つずつ見ていきます。

理由1:金利の反映にはタイムラグがある

個人向け国債変動10は金利の見直しが半年ごとであるため、金利上昇の機会を取り逃すからだそうです。

しかし、これは定期預金も全く同じですし、そもそも金利上昇を見越して普通預金においていたら、そちらの方がより機会喪失です。むしろわずか半年で追従するのはメリットと理解するのが普通では。

理由2:インフレが進めば実質利回りはマイナスに

国債の利回りだけでは資産価値を維持できない可能性があるからだそうです。

しかし、これも、他の安全資産と言われる定期預金や普通預金、社債などにもすべてあてはまります。国債だけの固有の問題ではないです。

理由3:中途解約時のペナルティ

解約時に直近2回分の利子の控除をもって損失の可能性と言い切っています。

しかし、これは、個人向け国債変動10の最も強力なメリットである解約時に金利動向にかかわらず元本償還される点の対価であり、このメリットに触れていないのは甚だ疑問です。

理由4:他の商品と比べて“機会損失”になることも

定期預金や個人向け社債、一部の高配当株など、より高い利回りを得られる機会を喪失することを上げられています。

しかし、現状、定期預金はネット銀行でさえ、個人向け国債と金利水準はトントンのケースが多いですし、個人向け社債は国債とは比較にならない全く別のリスクを内包します。高配当株は別物で比較対象ですらないです。

こういう記事が増えたら・・・・

記事を書いた方は、高齢者や退職金受給者、投資初心者なら適しているが、万人に最適な投資商品ではないとやや歯切れ悪く結論付けていらっしゃいます。

しかし、資産保有に関して、国債オンリーの方や逆に株式オンリーの両極端な方は少数派で、大半の方は、個人のリスク許容度に応じて預貯金国債等の無リスク資産と株式等のリスク資産に分散されているはずです。資産運用でまず検討すべきNISA口座では直接国債は購入できないですし。

ブログ主個人は、反則級にも個人に有利にみえる個人向け国債変動10は無リスク資産の商品として、大変魅力に感じています。無リスク資産部分は、個人向け国債変動10、リスク資産はオルカン等の全世界株式インデックスで保有すれば、他は余計なことは不要でこれで終わりとまで考えています。

NISA制度改定以降、オルカンが急速に勢力を拡大した時に、何かと苦しい理由付けでオルカンを否定する記事を多く目にしました。今でも定期的に登場しています。

しかし、同じように個人向け国債にネガティブな記事は大変珍しいです。結局個人向け国債が魅力的な金利水準になったから金融業界は困りはじめていると察しておくべきで、これからも類似の記事が登場するかもしれません。個人にとってありがたい存在でも、業界にとって不都合であれば、結局こうなるのだとわかりやすいです。

オルカンが「海外へ資金流出であり国内への還流を阻害している」とか理由のないそしりを受けるのと同様に、これからは、国債は民間へ還流すべき資金が無駄遣いする政府へ流れているとか、自主的に余計に納税して喜んでいる自虐的な人たちとか言われ初めるかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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