[債券]個人向け国債変動10

資産運用

安全資産の投資先として、個人向け国債変動10を選択しています。我が国はG7諸国の中で突出している対GDP比の債務残高250%超の高水準にあり、大丈夫でしょうか。

個人向け国債変動10の利点

銀行の定期預金と異なり、無制限の政府保証があり、かつ、以下のメリットがあります。ブログ主は日本円への不安がありますが、相対的には定期預金よりは魅力ありと判断し本商品をメインに選択しています。

・10年満期にもかかわらず、1年経過すれば途中解約自由(ただし、直近1年分の利息相当は控除される)。しかも、償還金額と中途換金額は、申込金額と同額のため、元本割れのリスクがない。一般債券は、金利の上昇で価格が下落するリスクのあるため、個人向け国債だけの絶大なメリット。

・金利水準も高く、最低0.05%が保証され、半年ごと長期国債の金利✗0.66の水準で見直されるため、金利上昇局面にも強い。

・現在募集の2023年5月期の募集金利は、0.28%とネット銀行の定期預金対比でも十分な水準。

・証券会社からキャンペーンでキャッシュバックが得られる場合がある。

ちなみに、令和4年度の固定3,固定5,変動10の発行総額は、3兆41846億でした。総国債発行額の数%でしかありません。

日本の財務状況に関する諸論

対GDP比の債務残高比率は、G7最悪で第二次世界大戦後の最悪期と同水準。よって、国家財政破綻はまったなしという主張もあれば、MMT理論では、独自通貨を持つ国であれば、債務返済のための通貨発行に制約を受けないため、いくら借金をしても財政破綻は起きない。むしろ、財政支出が少ないことが経済成長できなかった要因という真逆の主張もなされています。

また、負債の側だけではなく資産の側も含めてバランスシート全体で判断すべきという主張も見られます。

専門家の間でも議論が分かれている問題であり、ブログ主のような素人の投資家では如何ともできません。ブログ主は、There ain’t no such things as a free lunch「何も失わずに何かを得られることはない」を行動原理にしています。自分なりに考えた結果、将来は不確実であるも、財政破綻はありえないが、ある程度のインフレーションは不可避ではないかと考え、実験的FIREにあたっては、預貯金と国債から先に取崩すことと、資産は、全世界株式を中心にして国と通貨を分散させる運用を選択しています。

財政状況に関する客観的事実

素人には判断不可能ですが、公表されている客観的な事実をここに整理します。

財務省:財務に関する資料

外部リンク:財務省財務に関する資料

ここにG7の中でも最悪と言われる対GDP比の債務残高比率のグラフや鰐の口と揶揄される増え続ける債務残高のグラフが掲載されています。しかし、同じく掲載されている財政収支ではG7諸国と比較しても突出はしていません。

政府保有金融資産

以下の通り、大きそうな外債と日本株式だけでも足し込むと、約245兆円、22年度の国債発行残高が約1000兆円とすると、これらだけでも、資産側に約1/4相当の金融資産があることになります(時期がばらばらなのであくまでもイメージ)。さらに、資産といえるかわかりませんが、日銀保有の国債保有残高は、23年3月末時点で約581兆円もあります。

(注)外国為替特別会計の負債側の政府短期証券は国債とは別枠のため、本当にラフなイメージ。

外国為替資金特別会計

外部リンク:日本の外貨準備高は1兆ドル超 G7諸国の4~13倍、9割が外為特会 スリム化求める声にも政府は慎重(東京新聞 tokyoweb)

21年度末の外為特別会計という別枠で保有される外貨資産が約161兆円とあります。GDP対比の債務残高比率はG7最悪ですが、保有外貨資産はG7最大です。

政府保有株式

外部リンク:財務省政府保有株式の概要

NTTやJTなど政府保有株式が、22年11月現在32.8兆円あります。

日銀保有ETF

外部リンク:日銀ETFを活用した日本経済の底上げスキーム-今さら“無かったこと”にはできないので、日本を少しでも豊かにする活用法を考えてみよう(ニッセイ基礎研究所)

世界中で日銀だけという中央銀行による日本株ETFの保有残高は、22年3月末時点で51.3兆円です。

国債暴落シミュレーション

外部リンク:【財政赤字1,270兆円】日本政府、破産の瞬間「大逆転」へ!?…国債暴落の最終局面に起こる〈衝撃の出来事〉を予想(幻冬舎ゴールドオンライン)

外為特別会計を利用した興味深い記事を最後に紹介します。現実にはすぐ換金できないので机上の空論と思いましたが、こういう発想もあるんだと大変勉強になりました。

2023.6.3追記 タイトルを債券→債権と誤変換していましたので修正しました。

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