[雑感]思考訓練:いま「オルカン」をお勧めしない理由。新NISAデビュー組がハマる投資信託の落とし穴

雑談

久しぶりに香しいWEB記事がありましたので、取り上げてみたいと思います。

記事概要

外部リンク:MONEY VOICE いま「オルカン」をお勧めしない理由。新NISAデビュー組がハマる投資信託の落とし穴

景気のピークを見て、その配分を変化させていくことで、リターンのアップを狙います。
なので、先進国と新興国の両方が入っているオルカンではなく、先進国と新興国別々の投資信託を購入した方がいいということなのです。
先進国のピークが来た時に、その利益分を確定して、新興国の株を購入しておけば、翌年以降のリターンが上がるのです。

出典:いま「オルカン」をお勧めしない理由。新NISAデビュー組がハマる投資信託の落とし穴

とのことです。確かに一読したらもっともらしい理由付けです。

しかし、ブログ主見解では、先進国・新興国の区分は、例えばオルカンがベンチマークするMSCI ACWIを算出している一民間会社であるMSCI社が塊としての投資対象を特定の観点で分類した区分に過ぎないもので、景気判断に用いることのできる区分とは言い切れないというものです。

実際、韓国・ポーランドは、MSCI ACWIでは新興国に区分されていますが、同じく世界株式インデックスであるVTのベンチマークであるFTSE AWIでは、先進国に区分されおり、指数によって扱いが異なります。

さらにそもそも、何十国を塊で見て景気のピークを読んでピークで売ってボトムで買い戻すことは可能でしょうか。景気の波はその時では読めないし、株価の変動も景気の波とは一致しません。

最高峰のデータと経験、人材が揃った元締である各国の中央銀行や政策当局ですら景気を的確に予想することはできず、失敗するのは常です。GPIFも当然その前提で、250兆を超える年金資産を運用しています。

外部リンク:GPIF 分散投資の意義①1位になる資産は当てられない

そもそもオルカンをお勧めしている人は、遠い将来、世界のNo1が米国ではなく中国やインドになった時には、自動で配分を変えてくれるからです。
ただし、ですよ?
あと10年間くらいは、米国はトップではないでしょうか?新興国がトップになるのは、まだ20年や30年はかかりそうですよね?
つまり、オルカンの真のおすすめ理由が開花するのは、20年後とか30年後ということです。

それまでに、オルカンで運用しているお金を使わないのでしょうか?そこをよく考えてくださいね。

出典:いま「オルカン」をお勧めしない理由。新NISAデビュー組がハマる投資信託の落とし穴

ブログ主も前半は同感です。そういう考えもありでしょう。

しかし、中段以降、数十年後、現在新興国に区分されている国々の時価総額が現在の先進国のそれを超えるか否かはわかりません。

さらに、現在米国の株式時価総額が大きいからこそ、全世界株式の60%超を占め、全世界株投資ではその恩恵を今現在進行中の運用で十二分に享受させていただいているとブログ主は理解しています。

自分の頭で考える

当ブログでも何度も取り上げていますが、誰しも情報発信できる今や、世の中は、玉石混交の言論が溢れています。

食べ物やドラマの世界ならいざ知らず、金融や政治に関わる事項であれば、判断を誤ると自分自身によくない結果がふりかかる可能性が高くなります。最終的には自分のことは自分で責任を負う必要があります。

動物としての人間は危機に対して命を守るため、生来的に反射反応が備わっています。そこまで緊迫していなくても、省エネのため、耳障り良い思考のショートカットに魅力を感じがちです。

しかし、正解がない事項を判断していかなければならない局面に多く直面する中、ショートカットしないよう意識して、エネルギーをふんだんに使ってでも、正確な事実に立ち返り、様々な見解に触れて自分の頭で考え続け、判断力を向上させていくことが重要な局面も多くあります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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