以前廃墟とインデックス投資を取り上げましたが、視点を変えて人間の一側面からインデックス投資を考えてみます。世の中は否応なく変化していくのですが、不思議なことに個々の人間レベルでは変化が苦手だったりします。
人間は変化が苦手
NEW COKE事件
外部リンク:Wikipedia カンザス計画
ニューコークをご存知でしょうか。マーケティングの失敗例として、いまだに目にする機会があるかもしれません。1980年代に、ライバルであるペプシに猛追されていたコカ・コーラ社が、ペプシ寄りに味を変更して、ニューコークとして売り出したところ、消費者の総スカンを喰らい、数ヶ月でもとのコカ・コーラに味を戻し、コカ・コーラクラシックとして再販。皮肉にも、ニューコークは消滅したが、コカ・コーラの優位性は保った事件です。
ブラインドテストでは、好ましいと判断されていたそうで、味そのものの問題ではなく、慣れ親しんだ思い出も含んだコカ・コーラの存在そのものへの思い入れの強さと変化への抵抗を物語るケースかと思います。
ケチャップ、マヨネーズ
同じような事は、ケチャップやマヨネーズといった基本調味料にもみてとれます。国内の一般家庭向けは、ケチャップは、カゴメ、マヨネーズはキユーピーが高シェアを維持し続けています。
子供の時から慣れ親しんでいるものへの慣れと安心感を覆すのはとても難しいです。ブログ主も、たまに他社製品を買ったりしますが、結局、カゴメやキユーピーに戻ってきます。購入するブランドは固定している家庭が多いのではないでしょうか。
洗剤、女性の化粧品や、男性のカミソリ・シェーバー、なども同じ傾向にあると思います。
qwerty配列
日常生活品の事例とは異なりますが、経路依存の例としてよく出てくるqwerty配列も類似の例です。タイプライター時代に策定されたキーボード配列が、100年以上経て、PCやスマホの時代にも使い続けられています。
後世に、英文入力であれば、より合理的なDvorak配列が考案されていますが、慣れと切替えコストの問題から普及には至っていません。
資産運用における変化
慣れ親しんだものを大切にして問題ない場合も多いですが、変化への対応も必要な場面が必ず存在します。
人間は本来的に、変化を好まないようにできていますので、安全域にこもって無意識的に変化を嫌っていないか意識する必要があります。個別株式での運用なら特にこの点は重要です。
一方、広く分散された株式時価総額加重平均型インデックス投資であれば、時価総額の変化という観点で、投資先の変化に追従し続けてくれるので、相対的な変化への対応力があり、人間の弱い点を補ってくれているともいえます。ただし、対象とするインデックス投資そのものへも変化が必要ないかの視点も持っておく必要があります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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コメント
ニューコークの事件知っています。コカ・コーラクラシックになった事も。
コメントありがとうございます。お茶のようにコーラを飲み、バフェット氏のように健康を害さないアメリカ人はうらやましいかぎりです。