新NISAに前後してかなり多く目にし、未だに話題になり続ける「オルカン」か「S&P500」についての解説記事がありましたのでちょっと突っ込んでみます。
記事概要
外部リンク:HugKum 新NISAでよく聞く「オルカン」「S&P500」ウチはどちらに投資すべき? パパFPが解説します【HugKumマネー教室】
本記事、おそらく株式投資に馴染みが薄い方向けの解説記事のため、平穏な表現と当たり障りのない「アメリカの成長を信じるならS&P500、将来は予想できないならオルカン」の結論となっています。皆様はどのように感じられたでしょうか。
ブログ主は気になった点が2点ありました。本質ではない些細な枝葉の問題ですが・・・・。
1点目は、コストの点です。信託報酬のみを持って、オルカンを手数料を抑えたい方向けと整理されています。しかし、売買手数料など含めた実質コストでは、オルカンが0.11%程度、より投資範囲が狭いSlim S&P500の方は、0.1%とS&P500の方が僅かながら低コストです。よって、ここはミスリードされています。本件では、大勢には影響はないでしょうが、論拠としては誤っています。
2点目は、迷った場合は、両方持つと平均点がとれると説明されている点です。間違ってはいないでしょうが、下記の説明記事のように、アメリカ株の比重を高めている投資行為との説明がより正確ではないかと思います。
外部リンク:AERA dot. 「全世界株式+S&P500かナスダック100」半分ずつ買うとまずいの? 三菱UFJアセット協力検証第2弾
ブログ主私見
外部リンク:楽天トウシル NISAでの投資信託、オール・カントリーとS&P500の両方に投資するべきなのか
個人的には、どっちでもいいのではという見解です。ここまで到達したなら好きな方を選べばいいのではとの考えです。ただ、ブログ主ならアメリカ人ではなく日本人であり、これからも日本で暮らす可能性が高いため、通貨と地域でより分散されたオルカンの方が安心で好みです。上記リンク先の方の見解と同じです。
出典:外部リンク 平成最後の時価総額ランキング。日本と世界…その差を生んだ30年
1989年と2019年の時価総額ランキングの比較です。1989年の日本人は、「オルカン」か「S&P500」という発想は考えも及ばなかったでしょうし、誰もそんな記事は書かないし、関心もなく読まれもしなかったはずです。日本株一色の世界であったことは想像に固くないです。
わずか5年前、eMAXIS Slim オルカン/S&P500が設定されて1年しかたっていない2019年頃は様変わりです。オルカンやS&P500が新規設定されたということは、アメリカが絶好調であったことの裏返しで、それは現在に至るまで続いています。
それでも、現在と比較すると、中国株の存在力や時価総額3位に至ったエヌビディアがまだ上位に見られなかったり、アップルとマイクロソフトの逆転など、着々と変化していることがみてとれます。
結局、現在進行系の話題の商品は、その時々の世相を色濃く反映し、将来はわからないとしつつも、我々の判断に多大な影響を与えており、その影響からは逃れられないことは忘れてはならないと思います。
投資信託預かり資産残高1,2位がS&P500とオルカンで、これだけ「オルカン」か「S&P500」かしきりに話題にされているというのは、そういうことです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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