2023年はインデックス投資における象徴的な出来事がありました。
インデックスファンドが資産残高首位に
外部リンク:日経オンライン 投信残高トップの在位期間、首位は「グロソブ」
月末ベース国内公募の追加型株式投資信託の純資産総額(残高)トップに、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が躍り出たのは、2023年2月です。その後も首位を維持し、12月5日時点では、以下の通りです。
このまま年末まで残高を維持できれば、純資産総額では、歴代の残高トップ在位期間上位5銘柄中でも2位という大きな規模を記録します。
このように、直近の23年12月の総資産残高ランキングでは、対面販売よりもインターネット中心の低コストインデックスファンドが4銘柄も占めています。
対して、歴代の残高トップ在位期間上位5銘柄は、すべてアクティブ投信で、かつ、4銘柄は毎月分配型です。信託報酬も軒並み1.5%超です。時代は変化を続けています。
2023年は、資産運用が対面の回転売買中心の高コストアクティブファンド中心から、ネットの低コストインデックスファンドの長期保有中心へ目に見えてシフトした象徴的な年として記憶されるかもしれません。
将来はわからない
歴代の残高トップ5銘柄の在位期間は、グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)を除きおよそ2年程度です。このまま、2024年もeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が首位を維持し続ければ、2025年初頭には、歴代の残高トップ在位期間5銘柄入しそうです。
グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)、通称グロソブは、一時期ブームを引き起こしたお化けファンドで、最大残高が5兆7,685億、連続残高トップ期間は12年超でした。10年ちょっと前までは、毎月分配の高コスト(信託報酬1.375%)のアクティブ型海外債権ファンドがこれだけ長期にわたり人気を維持していたことは今となっては想像もできません。
そのグロソブは、12月5日時点で、資産残高2,799 億円と見る影もない状態です。
外部リンク:日興アセットマネジメント 過去の主要資産のパフォーマンスから考える
過去の主要資産の年間パフォーマンスを振り返ると、パフォーマンスの良い資産は一定ではなく、また、各資産の騰落には法則性もみられません。そのため、中長期において運用成果を向上させるためには、好パフォーマンスをあげる資産を当てることに重きを置くのではなく、個人のリスク許容度に合わせて、国内外の幅広い資産に分散投資を行なうことが重要といえそうです。
出典:日興アセットマネジメント 過去の主要資産のパフォーマンスから考える
資産が集まる投資信託は、直近で高パフォーマンスであった資産クラスであることが多いです。年によって、日本株であったりREIT、海外株式、海外債権などバラバラです。
インデックスファンドの転換点かもしれないと同時に、現在、誰も疑わない飛ぶ鳥を落とす勢いの米国株式の10年後も誰にもわからないことは、承知しておいたほうがよさそうです。
気負わないこと
ブログ主は、大きく増やすことよりも、大きく減らさないことを目的に全世界株式型インデックスファンドと、個人向け国債10年を中心に資産を保有しています。さらに、”インデックス投資の死”と言われる時代がやってくる可能性も0とはいえないので、余計な運用となることを承知で、部分的に日米個別株や米国高配当ETFも継続保有して分散しています。
さらには、長期分散でも災害や戦争などで全滅する可能性も考えて、金の現物(10万円金貨)も気休めとして保有しています。
結局のところ、絶対的な確度のある予想は誰にもできないし、心配しても切りがないので、ブログ主のように趣味的に上下の価格変動を眺めて楽しむか、いったん投資すればなかったこととして、忘れておくぐらいがちょうどいいのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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