楽天証券が、新たに設定された全世界型とS&P500連動のインデック投資信託に対して投信ポイントを復活させたことが話題になっています。そこで、他社のサービスと比較してみます。
全世界株式インデックスに投資した場合の比較
<前提>
・積立額は5万円/月。60万円/年。
・カード種別は、ゴールドやプラチナではなく、年会費のかからないノーマルカードとする。
・積立てる投資信託は、eMAXIS Slim 全世界株式。楽天証券だけ、楽天オールカントリー。
クレカ積立 | 年間還元率5万円/月 | 提携カード | 投信保有ポイント | 年間ポイント/60万あたり | |
SBI証券 | 0.5% | 3,000円 | 三井住友カード | 0.0175% | 105円 |
楽天証券 | 0.5% | 3,000円 | 楽天カード | 0.0175% | 105円 |
マネックス証券 | 1.1% | 6,600円 | マネックスカード | 0 | 0円 |
auカブコム証券 | 1% | 6,000円 | auPAYカード | 0.005% | 30円 |
物凄い競争の世界です。全世界インデックスの投資信託の信託報酬は、eMAXIS Slim 全世界株式、ノムカン、トレカン、楽天オールカントリーが、0.05775%と最低水準で横並びです。この低コストの中から販売会社分を還元するのですから、もはやなんとも。
クレジットカード還元と合わせて、投信保有ポイントでこれだけ還元していただけるわけで、行き着くところまで行ってしまった感じです。楽天証券は、SBI証券対抗で、横並びになりました。
2023.11.9追記:11.8付で2023.12.1- 楽天オールカントリーが信託報酬引き下げを発表しましたので、以後また変化していききます。追いつかないほどの激しい競争下です。
マネックスは、ドコモと提携しましたし、S&P500連動では業界最低水準のマネックス専用投資信託を投入しました。さらに、期間限定ながら、クレカ積立の還元を新規顧客に対して2.2%に引き上げています。auカブコムは、auグループのマネ活で、金融サービスの囲い込みの一翼を担っています。PayPay証券も23年10月より、PayPayカードと提携してカード積立を開始しました。携帯会社と金融機関入り乱れての本当に厳しい競争です。新NISAを念頭に仁義なき戦いです。
ポイント還元はあくまでサービスで、いつ改定されるかもわからないので(実際に2023年12月から楽天市場のSPUブログラムが改悪が先日公表されました・・・・・)、ブログ主は、新NISAでも、引き続き現在積立利用している楽天証券を利用することにしています。eMAXIS Slim 全世界株式か楽天オールカントリーかは悩みどころですが、超低コストのインデックスファンドでは、もはや投信保有ポイントは気にする水準ではないかなと思います。
カード積立額上限10万円の戦いがまだ残る
外部リンク:日経オンライン 投信購入、クレカ払いの上限10万円に倍増 新NISA対応(有料会員記事)
現在は、大手ネット証券では、クレジットカード積立ては5万円限度。楽天証券のみ楽天キャッシュと併用することで、実質的に10万円までカード積立できるようになっています。これによって、10万円/月積立てる場合には、大手ネット証券間では、還元額がほぼ同等になります。
調べた範囲では、tsumiki証券がエポスカードと提携、大和コネクト証券がクレディセゾンと提携して、クレジットカードで10万円/月の積立てができるようです。
いずれも、年会費無料のノーマルカードの場合、10万円積立ての還元率は最大0.5%でした。そうすると、5万円まで1%の還元の場合と還元率は同じです。
年会費無料のノーマルカードの場合の還元はこのあたりが上限と思われますが、大手ネット証券がカード積立額10万円に今後どのように対応していくかまだ見どころが残っています。おそらく、上限はアップするが、5万円以上の部分はポイントが付かないようにするのではないでしょうか。
ちなみに、カード上限は、以下の金融庁の審議会で議論されたようです。カード積立に関しては、リンク先資料3事務局説明資料末尾に記載があります。
外部リンク:金融庁の金融審議会「資産運用に関するタスクフォース」(第1回)議事次第
業界の動向には注意したい
サービスはいつ改変されるかわからないため、ちょっとした違いのために証券会社を乗り換えるなど多大な労力をかける必要はまったくないと思います。
ただ、インデックス投資とはいえ、少しでもパフォーマンスを上げるために、コスト面でより有利な商品を選択し、各種ポイントなど、手間暇かからず、もらえるものは漏れなくもらっておきたいところです。
ちょっと面倒ではありますが、各社のサービスの変遷にはこれからも目配せを怠らないようにしようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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