年始より災害や事故が続いた2024年ですが、株価は反面好調な状態が続いています。ポートフォリオを公開されているブログ様では2024年3月末のポートフォリオは、こうで、こんなに増えた!と勇ましい(羨ましい)報告で溢れています。しかし、こんなときこそ冷静さが必要です。
現状確認
eMAXIS Slim全世界株のETF版といえるMAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信(2559)の2020年1月からの約4年の値動きです。
約4年で2倍になっています。全世界インデックスが単純年換算で年率25%。詐欺を疑うような値上がりです。
こちらは、2023年1月ブログ主が、早期退職翌年の本格的な実験的FIRE生活のスタート記念と、自分用ベンチマークに1口購入したものです。
こちらも、わずか1年ちょっとで42%上昇。インデックスでめったに見ることのない上昇率です。
同じMSCI ACWIに連動する円建てのMAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信(2559)とドル建ての米国ETF iShares MSCI ACWI ETF(ACWI)の比較です。同じ指数連動インデックスファンドで実質同じ投資にもかかわらず、円かドルかの表示通貨が異なるだけで、全く違った景色が見えます。
ほぼ同期間のドル円レートの変動です。為替相場が名目上、大きくプラスに働いています。わずか2年前までは、110円前後の世界で生活していたことが遠い昔のように思えます。ゆでガエル的な人間の慣れは恐ろしいです。
各資産の期待リターン
外部リンク:GPIFホームページ 分散投資の意義② 投資のリスクとは
もっとも手堅い運用が求められる年金の運用で想定されている賃金上昇率を加味した外国株クラスのリターン想定は、年率7%ほどです。様々な文献でも、概ねこの程度の数字が示されています。そうするとここ数年の円ベースの上昇は異常値といえます。
実際に、GPIFでは、運用開始22年間で、国内外の株式・債券に分散投資して、年率換算3.59%と現実的な運用成績を残しています。
過去記事:
平均回帰
市場取引である以上、円ベースの投資家のみ異次元のリターンを享受し続ける可能性よりも、賃金や物価、為替、株価どこかで調整され長期的に平均回帰する可能性の方が高そうです。
それがいつ、どこで調整がなされるのか予見できない以上、今のようにとても運の良い環境下でも、逆に運の悪い環境化に遭遇しても、目先の株価や他人の言動に反応せず中立的になれるよう自分を訓練することが最終的に資産寿命を伸ばしていくうえで重要ではないでしょうか。
過去記事でも触れましたが、証券会社の人からは・・・・・・・
日本株を価格下落時に買い入れる日銀やGPIFと違い、新しいNISAの参加者は価格が上昇した際に買い、下落時に売る投資行動を取ることで、市場の変動を増幅させる可能性があることには注意が必要です。
出典:東証マネ部 新しいNISAは“池の中のクジラ”か
このように個人投資家は舐められているので要注意です。大多数の個人にとって、低コストなインデックス投資信託を保有して、上昇しても下落しても、感情をコントロールして、市場に居続けることが確実なリターンを得る一つの有効な手立てであることを思い出したいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
過去記事:
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