DIAMOND onlineに全世界型のインデックスの紹介記事がありました。
記事概要
外部リンク:DIAMOND online 「オルカン」は安さでは2位! 最安の投資信託に乗替えるべき!? 新NISAで買える超低コストの全世界株型インデックス投信ランキング
時価総額加重平均型の全世界インデックス投信の紹介記事です。こうしてあらためてみてみると、随分とラインナップも増え、認知度が格段に高くなったとあらためて感じます。コストは下がるだけ下がったので、一本保有して乗り換えは考える必要なしとの結論もまさにそうですね。
このファイナルアンサー的な全世界インデックス投信に対しては、個人的には、実験的FIRE前後では、心境には少し変化がありました。
心境変化
現役引退後、労働収入がなくなったら、新規株式投資額は抑制され、既保有資産のメンテナンスと取り崩し計画が中心となります。
何と言っても、新規分をどこに投資しようかという視点よりも、取り崩しを視野に入れることで、商品を保有する安心感に微妙な変化が起きていると感じています。
以下は株式長期バイ・アンド・ホールド前提の心理変化です。
個別株式
現役時代は、インデックスに勝とうと新規購入する銘柄選択にワクワクし楽しみしかなかったものですが、基本新規分がほぼないとそういった楽しみが低下してしまいます。
逆に、バイ・アンド・ホールドでは、時間が経過すればするほど銘柄間のブレが大きくなります。10年以上の長い期間、運命をともにして含み益を維持した愛着ある銘柄が、環境変化で定期的に含み損銘柄へと変貌してしまったりするので、メンテナンスが苦しいです。
そもそも、日本株なら単元株単位でしか売買できず、銘柄ごと時間を経過して拡大したバラバラの時価や損益の中、日々変化する経済状況を睨み売却の順番を決めるのは至難の業です。ブログ主はこの部分は腑に落ちた解を持ち合わせていません。
さらに、配当が強制されるため社会保険料との関係でも悩みを抱えます。
個別株は、生活の維持よりも趣味性が高いことをひしひしと感じています。
投資信託
ブログ主が株式投資をはじめた頃は、株式の投資対象地域については、日本株・先進国株(除く)日本・新興国株と3分割して考えることが一般的でした。40代以上の方は、概ねそうではないでしょうか。
さらに、今のように全世界型インデックスも一般的ではなかったこともあり、個人的には、その流れから、外国株式部分は、先進国株(除く)日本・新興国株と別々に保有している割合が高いです。これに加えて、近年の全世界型や米国株式インデックスが混在しています。
現役時代は、それぞれの騰落が一目瞭然で値動きの違いもわかり、一本ですべて包含された全世界型より保有していて心地よかったです。
しかし、これが、取り崩しが視野に入ると、順番に悩み、操作などに手間もかかるなどネガティブな部分も気になり始めました。
全世界株式型インデックス投信への見方の変化
新規投資に旺盛な頃の印象は、分散されすぎていて、国別、地域別の寄与度は、値動きだけからは把握できず、個別に確認する必要がありこともあり、全体で何か得体のしれないもやっとした印象が否めませんでした。
しかし、現役引退後は、素直に実用的で保有していて心地良いと心境が変化しています。具体的には、
・AI革命や自動運転など大きく話題をかっさらう銘柄が登場したり、どこかの国が飛躍的な成長を遂げても、インデックスに取り込まれるため、積極的な新規投資がなくても、置いていかれた感を抱く必要がない。追加投資なくして変化する市場に参加し続けられる大きな安心感。
・取り崩し期は含み益より、含み損が気になるところ、全世界株式インデックスなら、仮に損失が発生しても、全世界の市場平均を下回ることはないという下が見える安心感があり。個別株なら単独で底なしの下落リスクを抱え続ける。
・取り崩しが圧倒的に楽で手間がかからずイメージしやすくすっきり。
・NISAとの親和性も高く、限度枠を消費することなく分配金再投資可能。
・eMAXIS slim全世界株は、業界最低水準の信託報酬を目指すと宣言して、実際に実行してくれているのは、長期保有の心配の低減に直結。
などに起因しています。
巷では、インデックス投資に肯定的な方でも、オルカン一辺倒はつまらない。また、さらなる収益を目指す観点から、補完戦略やトッピングでステップアップといった主張をよくみかけます。例えば、
また、日経新聞でさえ、未だにこのような記事を掲載しています。
外部リンク:日経オンライン 2025年も「オルカン・S&P500」のままでいいのか?
それでいいんです。余計なことをする必要はない。
入口の段階で素人考えで恣意的に投資先を選別することがパフォーマンスアップにつながるとはいえません。大概は、リスクを拡大し、リターンを減らす意味のない行為となってしまいます。何か知的なことをやっているようにみえる自分に陶酔する自己満足か、業者に余計な手数料を払い儲けてもらうボランティアでしかありません。これは趣味の領域です。
さらに、株式でリスクを取って、将来の生活を維持することを最大の目的とするならば、新規投資がなくなる出口の段階で直面する心理面と手間暇もよくよく考える必要があります。ここにおいても、スリルや取り崩しを趣味的に楽しむのであれば別ですが・・・・・・。
入口、出口両面で、オルカンをはじめとした全世界株型のインデックス投信は、低コストで単体で完結する点で、退屈だけどシンプルで大変魅力的とあらためて思います。この単体で完結という魅力をわざわざ自分から削いでいくのはもったいないだけです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント