[運用全般]「お金は銀行に預けるな」に学ぶ教訓

雑談

2007年に発刊された勝間和代氏の著書「お金は銀行に預けるな」を再読して感心しました。令和になって発刊されたと言われても違和感ない内容です。今も多方面でご活躍の同氏の先見性と洞察力には驚きを禁じえません。

思い出の一冊

現在FIRE実験中のブログ主は会社員時代転勤族でした。数年おきに引っ越しが必要なため、労力の関係から書籍類は引越のダンボールに入れたままで開封していませんでした。早期退職して初めて就職後読んだ書籍を書棚に並べ、過去読んだ本を読み返したりしています。

本著は、2008年1月に読みましたので、約15年ぶりの再会です。ブログ主が株式投資を初めるに当たって最初に参考にした書籍です。本書のお陰で、実験的とはいえFIREまで到達できたといっても過言ではない恩書です。

余談ですが、ブログ主はAmazonのKindleが発売されてからは、ほとんど紙の書籍は買っていませんが、視覚的に思い出を喚起してくれる紙の書籍もいいもんだと、退職後に書棚に並べてあらためて思いました。

著者の先見性と洞察力

15年ぶりに読み返して本当に驚きました。今読んでも大きく違和感ない内容であるとともに、著者の提言が少なからずその後の世の中で、実現されています。

ちなみに、本記事作成のため、Amazonの書評を確認しましたが、2023年になっても評価コメントがついています。すごいですね。

インデックス投資

今でもそうですが、当時は、今以上に株式投資におけるインデックス投資はマイナーでした。15年後に投資信託の純資産総額ランキングの上位をインデックス投信が占めるようになるとは驚きですね。本書では、インデックス投資を勧めています。そして必要な関連知識も網羅的に説明されています。

いまでは、ほとんど意識しない「ノーロード」型という言葉は時代を感じさせますが。

社会的責任投資

本書で提言されている社会的責任投資は、その後日本社会で一般的となり、2012年のアベノミクスの成長戦略に組み込まれ、2014年には金融庁より日本版スチュワードシップ・コードが公表され、現在に至っています。

金融教育

中高生に対する金融教育の重要性を問うて、著者は実践しているとのことでした。2022年より、公的制度に組み込まれ、高校の家庭科で金融教育が始まりました。
(金融教育の遅れから、貯蓄から投資の流れが本格化するのは、10年~20年後と述べられていますが、期間まで的確)

金融リテラシーの必要性

金融リテラシーがないと自分のみを守れなくなってきたと年金の話が出ています(当時は年金記録問題の最中)。その後、2014年NISA制度スタート、老後2,000万円問題を経て、来年2023年度より新NISA制度へ生まれ変わることとなりました。

教訓

Amazonの評価しない方の書評に今も残っていますが、本書が発売されたのは2007年度末、その翌年にリーマン・ショックがありましたので、当時ネットを見ていると数多くの批判がありました。勧められるまま投資したら大損したとか、金融出身だから金融商品を売りたいだけだろう等。

本書では短期売買の弊害が明確に述べられ、金融商品は上がったり下がったりを繰り返しながら長期的には値上がりするとまとめられています。円高もあり、当時は株式資産が半減しましたが、その後どうなったかはご存知のとおりです。

最後に

他にも、長期労働の弊害や地方と都市部の格差拡大など、2023年にも懸念事項となっている問題点がズバリと指摘されていて驚くべきばかり。タイムトラベラーと錯覚してしまいそうです。

とここまで書いていてふと思ったのは、社会的課題は2007年当時から広く共有されていたが、対応が遅すぎたり、未だ対応に着手できていない事項が多く、政府の対応が遅いのでは、さらに、選挙を通じてその政府を選んできた我々国民がもっとまずいのではということです。

いろいろ考えさせられた15年ぶりの再読でした。最後までお読みいただきありがとうございました。

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