[資産運用]新NISA、積立投資と一括投資、どっちにしたら良いのか-なぜ米国株式型が強かったのか

資産運用

永遠に続く質問といわれる「一括」か「積立」かに関して、ニッセイ基礎研究所にレポートが掲載されていましたので紹介します。

一括か積立か

外部リンク:ニッセイ基礎研究所 新NISA、積立投資と一括投資、どっちにしたら良いのか-なぜ米国株式型が強かったのか

特定の10年、20年の期間で投資対象別の一括投資と積立投資の比較がなされています。

結果として、積立投資と一括投資とのリターンや元本割れリスクの差はあまりないが、実質的な投資金額×投資期間が大きい一括投資の方が資産形成のスピードが速く、最終時価残高が大きくなる可能性が高いことが分かった。

出典:ニッセイ基礎研究所 新NISA、積立投資と一括投資、どっちにしたら良いのか-なぜ米国株式型が強かったのか

結論は、これまで散々各所で述べられている通りで、長期であれば、「一括」の方がリターンが大きい可能性が高いというものです。

これから投資しようとする給与所得者にとっての合理的な選択肢は、今手元にある現金は一括投資して、以後は、毎月給与から定額積立を続けることということになります。

でも、なぜ投資界隈では、この種の議論がつきないのか・・・・、その答えは、Vanguard社の投資家向け記事にありました。

Vanguard社の答え

外部リンク:Vanguard社HP How to invest a lump sum of money

一括(lump sum) VS 積立(dollar cost averaging)について、以下のように述べています。

Our research indicates that it’s prudent to invest a lump sum immediately.

私達の調査によると、すぐに一括投資した方が合理的だ。

出典:Vanguard社HP How to invest a lump sum of money (日本語訳ブログ主)

一括投資してすぐ暴落に遭遇した場合、どうするんだという懸念に対する答えは、

Weigh your emotionally based concerns carefully against what the research shows:

感情に基づく懸念と調査結果を慎重に比較してみてください。

  • The lower expected long-term returns of cash compared with stocks and bonds.
    株式と債券と比較した現金の長期的なリターンの期待値の相対的な低さ
  • Delaying investment is itself a form of market-timing, something few investors succeed at.
    投資を遅らせることそのものは、ほとんどの投資家が成功することのないマーケットタイミングを図ることと同義となる。
出典:Vanguard社HP How to invest a lump sum of money (日本語訳ブログ主)

結局、あっという間に資産が-30%とか普通にありえる世界では、一括投資後の暴落懸念が自然と感情的に芽生えてしまうことが、合理的な選択をためらう原因となっているということです。

行動経済学での損失回避の心理(プロスペクト理論)とも合致します。人間の生存本能から、損失を怖がってしまうということですね。保険の販売などでも、万が一が強調され、我々は過剰に反応してしまいがちです。

これが逆に作用すると、すぐに利益確定をしてしまったり、毎月分配型投資信託や高配当株式に魅力を感じてしまったりします。

今回紹介した両記事ともにドルコスト平均は心の平穏を保つためには有効と結論付けられています。こうした視点は大切です。

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感情先行は世界共通

Vanguard社は、日本法人は撤退してしまいましたが、資産運用会社では預かり資産残高世界2位、日本円で1,000兆円という超巨大な運用会社です。日本の一般会計の予算規模が100兆円台ですから、本当に巨大です。

これだけの規模の運営会社が、こうした情報発信されているほど、感情が先行してしまうのは世界共通です。

資産運用の世界では、このように、感情が合理的な選択を妨げてしまうことがままあり、利用されていますので本当に注意が必要です。

最後に余談となりますが、ブログ主は「高所恐怖症」です。ちょっとした橋でも渡れないことがあり・・・・。感情のコントロールは本当に厄介です。

静岡県川根本町にある寸又峡夢のつり橋 絶景スポットなのに一歩も踏み出せませんでした・・・・・・・・。

最後まで御覧いただきありがとうございました。

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