中国の株式指数が乱高下しています。全世界株式への投資にはどのような影響があるか、直近の構成国比率を見てみました。また、三菱UFJ投信のeMAXIS Slimシリーズで日本を含む先進国株式インデックスが新設される旨アナウンスが有りました。こちらも、あわせて現状確認します。
中国株の乱高下と全世界株式への影響
株価の乱高下
上海と深セン市場を代表するA株時価総額上位300社の加重平均型指数CSI300への連動を目指す国内ETF(1322)愛称:パンダの年初来の推移です。中国のお休みである国慶節を前後して普通でない値動きをしています。
こちらは、上海市場のA株B株を対象とした時価加重平均指数である上海総合指数そのものの年初来の推移。国内ETFほどではないものの、やはり荒い値動きです。
中国政府の経済対策への反応と言われていますが、時価加重平均型指数でこれだけ短期間にクレイジーな動きをされると動揺しそうです。もはや予想の範疇にすらなさそう。
全世界株への影響は小さい
しかし、全世界株への影響は僅少です。
直近2024年9月時点でMSCI ACWI(全世界の大型・中型株式)指数に占める中国の割合は約3%にしか過ぎません。ということは、仮に時価が突然倍になっても全体への影響は+3% 時価が半分なら-1.5%の影響に過ぎないので、気にするレベルではないことになります。
実際にオルカンのETF版である2559をみても一目瞭然です。
中国のみならず、他の新興国全体でも、いまだ10%程度を占めるに過ぎません。それでも不安定な新興国市場を外して投資したいニーズがあるのか、2024年10月25日付で新設されるのが、eMAXIS Slim 先進国株式(含む日本)<オール先進国>です。
オール先進国は必要か?
今回新設されたeMAXIS Slim 先進国株式(含む日本)<オール先進国>は、従来のMSCI KOKUSAIに連動する先進国株インデックスに日本を含めたものです。
同じ運用会社内で、先進国(除く日本)、新興国、日本の3つのマザーファンドを運営しているため、ガラを変えるだけで簡単にいくらでも商品は作れます。
ただ、先に引用したeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のベンチマークであるMSCI ACWI指数に占める日本の割合は、約5%にしか過ぎないんです。にもかかわらず、eMAXIS Slimシリーズでほぼ全世界と同様な時価加重平均型の商品は、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)0.05775%
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)0.05775%
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス0.09889%
eMAXIS Slim 先進国株式(含む日本)<オール先進国>0.09889%
(右側の数値は信託報酬率)
目がくらくらします。90~95%中身は同一の商品が並んでいて、日本を含んだり除いたり統一性もありません。NISAの対象に入っていますので長期間残り続けるでしょう。ブログ主には、これから投資しようとする場合、混乱させる以上のメリットが見いだせません。また、今回の中国のような目先の短期の市場の変動で無駄な乗り換えを誘引しかねない危惧が膨らみます。これに加えて、同じ運用会社内で無印のeMAXIS FATシリーズがあり、さらに競合する運用会社にそれぞれ同じような指数への連動を目指すファンドが無数に存在するのですから。
穿った味方をすれば、相談業務や情報提供を生業にする方向けに飯の種を作ってあげただけのような気も。
せっかく、インデックスファンドでこれほど支持を受け、国内では純資産残高1位と2位を独占するeMAXIS Slimシリーズなのに余計なことをしすぎな気がします。もったいないというのが個人的感想です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
> 相談業務や情報提供を生業にする方向けに飯の種を作ってあげただけのような気も。
同感です。また保有銘柄の数だけ管理が増えますから、仮に多少のメリットがあったしても無視して、シンプルに運用するのが得策な気がします。
コメントありがとうございます!全く同感です。