以前から、度々取り上げられていた「NISA貧乏」なるワード。国民民主党の議員さんが、衆議院の金融委員会で取り上げ、財務大臣が答弁したことで再びメディアを賑わしています。ブログ主も便乗させていただき思うところを残しておきます。
NISA貧乏
外部リンク:Yahoo!ニュース(ABEMA TIMES)片山財務大臣、広がる“NISA貧乏”に「ショックを受けた」「積み立て自体の目的化は全く意図しておりません。金融経済教育を全員に」
「20代は投資額をすごく増やしているんですけど、消費は伸び悩んでいるそうです。漠然とした将来不安を抱えて20代、30代以下は75%が『公的年金には期待していない』。以前、『とにかくNISAだ』と。『老後1000万円(必要)』とありましたが、今は2000万円、3000万円とも言われるようになり、将来のライフデザインを描く前にとにかく不安に駆られて『とりあえずNISA』『とりあえずインデックスだ』ということが増えているそうです。積み立て自体が目的になってしまうと。20代は投資も必要ですが、自分への投資、また様々な活動、いろいろなことをする大事な時期です。現状について、(片山)大臣の認識を教えてください」
出典:Yahoo!ニュース(ABEMA TIMES)片山財務大臣、広がる“NISA貧乏”に「ショックを受けた」「積み立て自体の目的化は全く意図しておりません。金融経済教育を全員に」
インパクトあり記憶に残りやすい、また受け手によって様々想起させられる秀逸なキャッチコピーですが、結局言葉としては、中身のない意味のないものだとブログ主は感じています。そもそも質疑にも中身はなく、NISAも貧乏も関係ないのではと思いました。
次項に主たる議論について整理します。
空回りする議論
消費の伸び悩み
投資に回し消費しないことに対する批判があります。しかし、消費の伸び悩みは20代のみならず全世代共通の事象です。昔は銀行預金に偏重していたのが、株式などへ分散されはじめただけですので、NISAと消費の伸び悩みは直接関係ない。さらに言えば、預金であれば銀行を通じて間接的に、株式であれば直接、事業資金を支えているわけですから、投資額を増やすことは中立的な事象でしかありません。
公的年金批判
過度にNISAを通じた投資に傾倒するのは公的年金が脆弱だからという意見もありますが、これも的外れと思います。
20代、30代以下は75%が『公的年金には期待していない』とありますが、そもそも30年、40年先に受領権が発生する年金制度など想像もできないのが普通ではと思います。目先の個人的な将来像、どのような仕事をしてどれだけ財を築いているか、家族構成や住まい、生活様式すらわからないのに、年金についてだけ、受領見込額はいくらで、不足するから、今から投資だと考える20代・30代などいないでしょう。
投資による経験軽視への懸念
20代は投資も必要ですが、自分への投資、また様々な活動、いろいろなことをする大事な時期
こんなことおっさんおばさんに言われなくても、多くの人は意識的にまたは無意識的に十分認識していると思います。おっさんおばさんに言われて、はじめて経験も重要なんだ!と気づく人などいないです。おっさんおばさんである我々は忘れてしまったかもしれませんが、10代でも20代でも、有限な時間の中で、今人生で何をすべきか、何に時間を割くか必死で考えて出来うる限りの選択を続けていたはずです。
NISAとか投資は全く関係ないです。
言葉の弄びに注意
何か意見する場合に、関係ないことを結びつけて自己陶酔に浸るのは言葉の愚弄に過ぎません。
国としては、資産形成のツールとしてNISAを提供していて、それをどのように使うかは個々の国民が自由に決めればいいことで、使い方まで国が口を挟む必要は全くないと思います。だいたいNISAだって、ただの制約ある非課税制度にすぎません。加えて、既に、そこまで国がする必要があるのかと思うほど、投資関連教育ツールも、様々丁寧に提供されているのですから十分でしょう。
それよりも、国会議員や大臣が、あたかも国民は愚かであることが前提かのように、国民の行動様式に異を唱えることそのものが自由主義を脅かす危険な存在です。
さらに、なにか不都合が発生すれば国の責任として、何かと批判の矛先を政府に向けたり、目先の給付を求めて正義づらする社会主義的な風潮も危険です。社会の本質は国民の自由と裏返しの自己責任であり、国家の最大の役割は「余計なことをしないこと」です。
今回の国会の質疑に限れば深い意味はなさそうですし、SNSでトレンド入りするほど着目を浴びた点では有用な質疑だったと評価されると思います。ただ、関係ない事象をこじつけての批判行動や、自由を制限する方向で国民の行動様式に言及されている場合は、警戒するに越したことはありません。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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