[雑感]「大人のための資産運用」というセミナーに参加して思う基本を押さえる重要性

雑談

お土産付きの老後のお金が足りるか不安、そんな不安を抱える50代・60代の方へ今からはじめる、ムリなくはじめる・・・・という無料セミナーに興味本位で参加してみました。一見怪しさ満載で危険な香りがしますが、予想外に真っ当でしたので共有させていただきます。

無料セミナーのリスク

ただほど怖いものはない。これは肝に銘じておく必要があります。昨年度参加してセミナーでは、多くのワンルーム投資会社に勧誘用に個人情報が共用され勧誘電話が続く事態に遭遇しました。

今回、懲りもせず、地方の放送局が協力、主催は、生命保険会社100%子会社の独立代理店、講師はIFAさんという掲題の無料セミナーに参加してみました。

50代・60代向けに今の世間ではどのような勧誘がなされているのか実情を知りたい好奇心が勝りました。何よりも、今回は、お米1.8Kgと乾物のお土産までいただけます。

これだけではなく、有名フリーアナウンサー参加、広い都心部の貸し会議室ですから、凄いコスト。これだけコストをかけたなら、運営側もただでは帰さないでしょうから主催が怪しければ絶対近寄ってはいけないレベルです。

それでも、参加案内には、勧誘しない、個人情報はセミナー以外で利用しないと明記されており、表面上は問題なし。いかなる罠が待ち受けているか興味津々、戦々恐々の中で参加です。

今回のセミナーは良心的だった

結論セミナーは良心的でした。ざっくりと、まとめると以下の流れの内容でした。資産運用セミナーと銘打っていますが、内容はほぼ株式投資に関してでした。

1.ディズニーランドの入園料は年2.6%平均で上昇、物価上昇目標は2.0%、道具であるお金が減価しないよう維持する必要がある。

2.リスクとリターンは相関する。プロでも、リターンは予想できない。銘柄選択ではなく資産全体でリスクコントロールする必要がある。

3.ドルコスト平均やNISA、iDeCoなどのツールの説明。

4.投資の敵は「気分」ゆえ、客観的な立場を有する第三者(=IFA)への相談が有効。

しかも、説明で用いられている図表は、以下のような、すべて古典的名著やGPIFのポームページよりの引用という全く基本を外さない固いものでした。これには驚きました。

出典:ジュミレーシーゲル株式投資
出典:GPIFホームページ

最後の結論を相談ではなく、「ネット証券でNISA口座を開設し、低コストのインデックス投資を買いましょう」で置き換えれば立派なインデックス投資入門セミナーになる秀逸さでした。

無論、本セミナーはIFAさん主催ゆえ、かけられたコストは無料相談会へ誘引するものでした。普段有料の相談が、セミナー終了後に申し込みすれば無料で受けられるというもの。知名度ある元局アナのフリーアナウンサーさんが、巧みに語りかけられてましたので、警戒感は皆無。多くの方が申し込みされていました(悪い意味ではなくて、一歩を踏み出すにはこういうやり方もありと感じました)。

相談後、どのような商品が案内されるかはわかりませんが、セミナー内容から大きく逸脱せず、NISAiDeCoの枠内で商品案内されているとすれば極めて良心的で、投資をはじめようとする方が、無料相談後さらに有料でも相談料を支払う価値はありと感じました。

ブログ主は、金融業界の姿勢には懐疑的で安易に近寄るべからずとのスタンンスですが、今回は、こういうアプローチをしている会社もあるのだと勉強になりました。

ジュミレー・シーゲル「株式投資」

本題とは離れますが、未だに、随所に引用されていて、目にしたことが多いであろう株式と債券の長期のトータルリターン比較グラフのオリジナルは、ジュミレー・シーゲル「株式投資」です。

大学受験の過去問の青本・赤本になぞらえて、シーゲルの青本と呼ばれている基本書。

既に20年以上前の本で、ブログ主も10年以上前に読んだものです。BRICsと盛り上がっていた頃で今風ではない箇所もありますが、株式投資の基本的事項が網羅されていて、ある程度投資経験を積んで読み返しても大変勉強になります。当ブログ含めてブログやSNS、インフルエンサー本含めて、これを超える内容は今でも議論されてはいないため、大元を知る意味でも読んでおく本の一つといえます。

ちなみに、もう少し具体論に踏み込んだ「赤本」の方も、過去こちらの記事で紹介しています。

何事も、是非を判断する大前提として、一見回り道に見えますが、なるべく原典にあたり、繰り返し理解できるまで客観的な基本事項を押さえることは避けて通れません。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

コメント