国民民主党が参議院に「国債NISA法案」なる法案を提出したニュースに触れて、内容を確認してみました。
国民民主党案
外部リンク:国民民主党HP ニュースリリース 【法案提出】議員立法「国債NISA法案」を提出
直近でも与党側の国債に関する動きがありましたが、野党側からというのは珍しいです。表面上の立法趣旨は、以下の通り資産形成の多様化とのこと。

ただ、何か最近個人に国債を買わせようという動きが目立ち気になります。こちらの党首は元財務官僚の方でもあります。どちらかというと、国債の円滑な発行に軸足が置かれているのかもしれません。

国債とNISAの親和性は低いのでは
目的は何であっても、NISAの対象が拡大することは歓迎と思ったのですが、よくよく考えると、相性はそれほどよくなさそうです。
節税効果が大きくない
個人向け国債を前提とすると元本成長という概念はないため、非課税の恩恵を受けられるのは、利金の部分のみです。そして、個人向け国債変動10の2026年7月募集分の利率は、1.8%であり、この利率にかかる20.315%の所得税・住民税が非課税となるとありがたいものの、インパクトは大きくなさそうです。
加えて、必ず利払いされるため、NISA投資枠を消費せずに再投資することもできません。
国債は償還期限がある
そもそも、この法案、対象の「国債」の種類が明記されておらず不明です。仮に、現在個人向けに販売されている個人向け変動10・固定5,3 新型窓販国債を前提とすると、最長でも、投資期間は10年です。
長期で運用する場合、NISAの年間投資枠は最大360万円であり、この制約下で、償還される度に国債を購入し直さないといけません。これは面倒。
相続税の対象からはずす
今回の法案には、もう一つ、NISA口座で保有する国債については、相続税を非課税にすることを検討する旨記載があります。
これは、人によっては、魅力的かもおもったものの、上述の通り、現行の個人向け国債を前提とすると償還期限があるので、手間隙がかかりすぎます。相続が発生する間際まで、頭脳明瞭であり続け、期限や投資枠を考えることができるかもわかりません。
結論
一見すると資産形成の多様性を拡大する方向で悪くなさそうですが、やはり国債とNISAは親和性が高くないです。国債の個人保有拡大、非課税制度による資産形成の促進を図るなら、個人向けの国債の内容を刷新したり、NISAの投資枠をより自由にしたりとそれぞれ個別に対応した方が効率的です。敢えてNISA対象に現行の国債を組み入れる大きなメリットは見出だせません。
加えて、今回の法案、地方税減に対する措置や相続税免除の仕組みなど肝心な点はすべて「政府が必要な措置を講ずる」とだけ書かれており、実現方法はすべて政府に丸投げとなっています。
結局はパフォーマンスに過ぎず、本法案が両院で可決される可能性は低いものと推測されます。ただ、内容はちょっと惜しく残念なものの、こうした具体性を持った提案をおこなうこと自体は、何でも反対、不適切発言の連発に、週刊誌を手に騒ぐだけの別の野党とは雲泥の差であり、大変評価できると思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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