eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)への対抗上、新NISAスタート直前2023年に、矢継ぎ早に投入された低コスト全世界インデックスファンド、俗称ノムカンとトレカン。新NISAスタートから2年半経過して、どうなっているか現状確認してみます。
2023年時点の横比較

既に2023年の時点で既に、信託報酬は、0.05775%と各社ほぼ再廉価レベルまで下がっており、その後も楽天・プラスオールカントリーが僅かに下げた例はあるも、2026年の現在に至るまで大きな動きはありません。
より投資範囲が狭いS&P500やTOPIX連動インデックスファンドと比較しても、おしなべて安価であり、やはり行き着くところまで行き着いているといえそうです。業界側から見れば薄利であまり旨味のない分野(逆に消費者からは破格な)商品群といって間違いないです。
また、昨今のインフレ状況を踏まえると、激烈な価格競争から一転して値上がりの可能性の方を視野に入れておく必要があるかもしれません。
2026年時点の横比較
商品そのものはほぼ変化がない中で、新NISAスタート後3年で、周辺環境は変化しています。
■総経費率表示義務化
信託報酬に加えて売買手数料や監査費用、保管料など間接費も含む年率換算のコストが2024年4月より交付目論見書にも表示が必須となり、よりコストの透明化が図られています。
■金融機関の合従連衡
携帯キャリア・金融機関の合従連衡が進み、三井住友系のOlive 三菱UFJ系のエムット、みずほ系のみずほ楽天カードなど、積立投資におけるクレカポイントの多様化、総預かり残高によるサービスの差別化が図られるようになってきました。
■AIの深化
またたく間に生活に浸透し、個人向けサービスのみならず、業界向けにも着実に浸透が進んでいます。
参考:外部リンク 金融業界向けチャットGPT、オープンAIが投資銀などに提供開始
こうした状況下では、当時ほどインデックス投信の細かな信託報酬の差は注目されづらく、かつeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の独走状態は変わらなかったため、最近は、インデックスファンドのコストが話題になることも多くない印象です。ノムカン、トレカンなる俗称もすっかり目にしなくなりました。
一応確認しておくと、
| 通称 | 正式名称 | 運用会社 | 運用開始 | 実質コスト | 純資産総額 |
| オルカン | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 三菱UFJアセットマネジメント | 2018年10月 | 0.084% | 約13兆6,000億円 |
| ノムカン | はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) | 野村アセットマネジメント | 2023年7月 | 0.077% | 1,774億円 |
| トレカン | Tracers MSCI オール・カントリー・インデックス(全世界株式) | アモーヴァ・アセットマネジメント | 2023年4月 | 0.12% | 約130億円 |
こうしてあらためて横比較すると、通称オルカンの圧勝で、アイコン的に扱われるのもしかりです。これだけ預かり資産に差があると、現状では、全世界型インデックス投信において、預かり資産残高において、オルカンを逆転する投信が登場することはもはや想像できません。
また余談ながら、3年前は各社HP、投信目論見書から、手作業で一つ一つ数値を拾っていたのですが、今や課金せずとも、汎用のAI生成でこんな横比較表の作成は簡単に一瞬でできるようになってしまい、情報の流通のあり方も大きく変わったことと、進化のスピードに毎度のことながら驚いてしまいます。
今後の展開
Oliveやエムット Excellent Clubなどにみられるように、これまでの一律低コスト競争は一服して、ネット証券に、メガバンクや携帯キャリアが複雑に絡み、囲い込み、総合金融サービスの競争がさらに進みそうです。
低コストインデックス競争は一瞬で勝負がつき、主戦場は、既に移ってしまい、インデックス投信のコストのみならず、どこの銀行に預金を置くか、どのクレジットカードをメインにするか、電気やガス、通信料をどこに集約するかなど、検討要素は複雑化して、単独サービスでの横比較はますます難しくなりつつあります。そうした意味で、保有投信のコスト比較は相対的に重要性が低下していて、3年とはいえ、すっかり世界が変わっていることを実感します。

ブログ主は、現在も、ソニー銀行にプラチナステージに必要なだけの投資信託を置いて、可能な限り決済をSony Bank WALLETに集約して支出分の2%現金還元、NISAは、楽天証券にてノーマル楽天カードでオルカン積立して0.5%還元、500P/月をいただいています。
シンプルかつノーコストで気に入っていて、現在の金利水準下においても、明らかに自分に必要な範囲では、今以上に、他社サービスで有意なものはいまだ見当たらないため、他金融機関に引っ越し予定は今のところ、ありません。しかし、投信のコスト以上に金融サービスの動向は変化しつつあり、こちらも引き続き追っていこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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