[雑感]感想・新NISA「二刀流」戦略で狙う”10年後”の資産形成 「1800万円の投資枠」をフルに活用しつづける

雑談

Yahooニュース(東洋経済オンライン)に掲載されていました。ちょっとだけつっこみさせていただきます。

記事概要

外部リンク:Yahooニュース 新NISA「二刀流」戦略で狙う”10年後”の資産形成 「1800万円の投資枠」をフルに活用しつづける

ほんの抜粋記事ということです。要は、インデックス投資では資産形成に時間がかかるから、NISAの成長投資枠で日本株の個別売買を併用して、資産形成の加速化を図りましょうという内容です。

どのような運用手段を採用するかは個人の判断です。記事でご主張されている手法もありでしょう。ブログ主もインデックス投資を基軸に日米個別株投資も趣味的に併用しています。

しかし気になった点は残ります。

気になった点

つみたて投資枠の扱い

著者によると、できれば個別株投資に用いたいが、制度の成約からつみたて投資をインデックス投資に用いることらしいです。

月々5万円、10年継続の根拠は記載していませんが、これは、可能な限り成長投資枠へ投資資金を振り向ける趣旨と想像します。複利を強調されるなら、10万円、5年だとは思いますが、ここはおいておきます。

疑問点はまだ、2つあります。

1つ目は、成長枠では、個別株で日本株投資を勧めておきながら、インデックス部分は外国株になっている点です。理由に触れられておらず、一貫性が感じられません。日本株に優位を見出しているなら、積立部分もTOPIXや日経平均連動の日本株インデックスとするのが筋ではと思います。もしかすると、日本株の方が比較的市場に歪みがあり、個別株投資に馴染むとの高度な判断をされている可能性はあります。

2つ目は、S&P500か全世界か迷ったら、どっちが有利かわからないから、半分半分購入しようとのご主張です。全世界のアメリカ株比率が60%とすると、半分半分購入すると、アメリカ株80%:その他株20%と、アメリカ株の比率を全世界指数から、人為的に高めているだけです。著者はインデックス投資には関心が薄そうですし、もしかしたら、承知の上気持ちの問題ぐらいに軽く考えていらっしゃるのかもしれません。

しかし、何も考えず、S&P500と全世界で半々とか分散とかいう主張には身構えたほうがいいケースが多いです。

成長投資枠での日本個別株運用

40歳で手に入った6200万円は、その後も運用を続けていけば、複利効果がどんどん働いて、青天井に資産が伸びていきます。

もちろん、「年に240万円も投資に回せない」とか、「利回り20%なんて無理に決まっている」といった、さまざまな意見や反論があると思います。

出典:Yahooニュース 新NISA「二刀流」戦略で狙う”10年後”の資産形成 「1800万円の投資枠」をフルに活用しつづける

著者自身が予防線を張られている通り、利回り20%なんて無理です。一定の利益が出たら売り、また買いを繰り返し、配当+キャピタルゲインでこれだけ利回りを出せたら奇跡です。あらゆる市場参加者の長期平均で5~8%です。サイコロで1の目を出し続けることは確率的に不可能です。

そもそも、資産形成の加速を主張されていますが、逆に一発-20%をくらうと資産を一気に減らしてしまうことになります。+-両面を想定する必要があります。損を取り戻そうと危険な取引を繰り返さないよう祈るばかり。

NISA口座では、売却益・配当が非課税の利点があるものの、枠の復活は翌年。年間投資枠は240万円です。値上がりしているということは、他の株式も同時に値上がりしていることが多いのが一般的です。売却益で他の株式を再購入するときに値上がりした価格で購入せざるを得ないことに大概直面します。

おまけに、枠の復活は翌年です。タイミングを図ろうにも制約が発生します。

さらに、そもそも日本株の個別売買で年利回り20%維持できる、まぐれではない、再現性ある投資手法があれば、NISA関係なくはるか昔から特定口座でやっていればよかっただけの話です。非課税の点を除いてNISAは無関係です。

ブログ主には、個別株式で年利回り20%をコンスタントに長年継続するイメージが全く湧きません。本記事でも触れられていないです(出版されている本の抜粋記事なので、本には書かれているかもしれません。興味は湧きませんが・・・・・)

高度なスキルが必要であったり、再現性が高くない投資手法を取るなら、それなりの覚悟は必要だと思います。

ネーミングの罠

現行NISAの「成長投資枠」という名称本当に匠です。成長投資と聞いて、マイナスのイメージを持つ人はまずいない。大きな期待を抱かさせる名称です。

でも、ただの名称に過ぎず、株式投資すれば、特定口座であれ、NISAのつみたて投資枠でも、成長投資枠でも、年数十%のマイナスに直面し、長期間含み損を抱える不遇の時代も普通に有り得ることを常に思い起こすことが必要だと思います。一攫千金を目指すなら、無理すればするほど逆のリスクも高まるというのが当然の理です。世の中にただ飯は存在しません。

NISAの投資枠を消費せず、非課税での複利効果を最大限享受するため、分配金を出さない投資信託を用いるのが誰にでもできる有効なNISAの活用法というのが、ブログ主私見です。

仮に個別株に魅力を感じても、インデックス投資中心に一部だけ個別株に投資して、長期間様子を見て、インデックス投資よりも自分のスキルが優秀と確信できてから、個別株を増やしても遅くないと思います。

なにはともあれ、「二刀流」ではなく、マイナスもありうるという投資の「二面性」の理解が最優先です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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